◎同窓会_kr ページ39
(リクエスト!!)
目の前のドアが酷く開けずらい。高校の時の同窓会に行ったのはいいものの、気付けば空は真っ暗で電車も片手で数える程しか残っていなかった。そして最寄り駅に着いて恐る恐るスマホを覗けば彼氏からの怒涛の連絡。…いや、これは帰りたく無くなる。
『まぁ…帰るしかないか。』
鍵を取り出してドアを開けるとでんきはまっくらで。あれ、もう寝ちゃってる…?
「おかえり。」
『びゃっ!!?』
暗闇の中聞こえてきた低音に思わず飛び退く。慌てて玄関近くの電気をつけると目が死んでるきりやんがその場で佇んでいた。
『た、ただいまです…。』
「楽しんできた?」
『まぁ…それなりに、』
私がそこまで言うときりやんが私の手を引いてリビングへ連れていかれた。いや、上着とか置きたいんだけどな!? そんな私の気持ちはガン無視で彼は私の手を掴んだままソファに押し倒された。…彼の目が、酷く濁っている気がする。
「あのさぁ、俺のこと放って同窓会行くとか…ほんとに心配になるからやめて。」
『でも行くって言ったよ?』
「Aの友達から聞いた。…元彼、いたんでしょ。」
彼に言われてそう言えば、と気付いた。そう言えば今日来てたな…一言も話さなかったけど。あっちも私が彼氏いるって知ってるはずだし。てか教えたやつ誰だよ。
『いたけど何も無いよ。話してもないし。』
「…ほんと?」
『ほんともほんと。疑うなら何してもいいよ。スマホ見てもいいし。』
私がどうする? と聞くときりやんの張り詰めていた空気がようやっと解けた。そのままズルズルと私の上に乗っかられる。
『よしよし、ちゃんと言えばよかったね。ごめんね。』
「ぅ゙〜…Aのせいじゃない、俺がわがまま言った…ごめん…。」
すっかりしゅん、としてしまった彼は私の上から降りようとしない。なんか猫が乗ってるみたい。そのまま頭を撫でると彼は少しだけ擦り寄ってきてくれた。やっぱり猫かな。
「…すき。」
『ありがとう。私も好き。』
でも、嫉妬する姿ならもうちょっと見せてくれてもいいんだよ?
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作者名:モチモチな餅。 | 作成日時:2022年2月13日 22時