[pkmn]大切なキミと (ページ10)

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8話～遠いような近いような昔の記憶～ページ10

あれ、ここはどこ。
　おれ、倒れた………、よね？
　さっきの人たちもいない。
　
ーーーそれにしても、この場所…

　見たことあるような、ないような。
　なんて考えていたら、

　ガサ、ガサリ。

ーーー？だぁれ？

ーーー久しぶり。

　目の前に現れたのは、

　モノズ。

　彼を見ると、泣きたくなってしまう。

ーーーごめんね。

　なんで謝るの？

　自分のせいで、ひどい目に遭ってるのに。

　左の後ろ足の傷。

　見るだけで____________

◆ ◇ ◆

　目を開けて、ガバッと起き上がる。

『あ、起きた？』

ーーーあ、

　さっきの人だ。
　夢…か。
　よかったのかはわかんないけど。

ーーーえっと、

『俺はるっていうんだぁ』

ーーー……はるサン？

『そう！はる！キミの名前は？』

ーーー……

　名前と言われて黙ってしまう。
　名前なんて、もらったことなかったし、考えたことすらなかったな。

『ないのか。じゃあ俺が考えてあげる！』

　ずっと思ってた。
　この人もおれを売るのかと、
　色違いだから。

『オマエ赤いところがあるから、"いちご"で！』

　一瞬、彼のネーミングセンスに、悩んだが、
　そんなことより、嬉しい。という気持ちが勝った

ーーーいちご………？

『そう！そのまんまでごめんね。』

ーーーありがとう…

『へへっ、俺のポケモンと挨拶するか？』

ーーーえっ、

　うーん、と一瞬悩んだけれど、挨拶することにした。

ーーー挨拶、する！

『ミライ、フィリ、出てこい！』

ーーーわっ？！ご主人？！

ーーーはる？どうした……の？

ーーーミライサンとフィリサン、ヨロシク…デス。

　2人ともポカンとしている。
　何か変なこと言ったかな…？

ーーーははっ！よろしくな！

ーーーいちごちゃんだっけ？よろしくね。

『えっ？この子メスだったの？』

ーーー多分…？

『おれって言ってるからオスかと思ってた～』

『ごめんな』

ーーーえっ、大丈夫です。おれって言ってるこっちが悪いんですから。

『ふふ、よろしくね、いちご』