[pkmn]大切なキミと (ページ14)

今日:10 hit、昨日:7 hit、合計:6,719 hit

12話～自分だって本気を出せば～ページ14

『いちご～！！』

『どこにいるんだよ！いたら返事してくれ！』

　夜になった。それでも彼は帰ってこない。
　もしかして、おれといるの嫌だった？
　バトルするの嫌だった？
　色々な感情の色が目ににじむ
　ポロポロと目から溢れる。

どうしよう。このまま帰ってこなかったら。

　そんな時Aがやってきた。
　起こしちゃったかぁ。

「は、はる…？どうしたのぉ……？」

『いちごが帰ってこないんだ』

「？！大変！すぐに探さないと！」

「すばる！いちごを探すの手伝って！！」

ーーーいちごちゃん、いなくなっちゃったの？！早く、探さなきゃ！

『A、ありがとう』

『メソメソしてる場合じゃねえな、』

◆ ◇ ◆

　どれぐらいの距離を移動したのだろうか。
　もしかしたら自分は、迷子になってしまったのかもしれない。

ーーー疲れた……

　まだ追ってきてる、なんでここまでおれにこだわるの？

ーーーはるさぁん……

　夜空を見上げると、雨雲が集まってきてる。
　ああ、もう助からないかもしれない。

ーーーなんか、ないかな

　自分の居場所を知らせる方法を考える
　
あ、

　思いついた。
　近くにいるなら、成功する。

ーーーやらなきゃ、はるさんだってきっとおれを探してる

　近くにあった他よりもでかい木を切る
　これはもう、体力と、時間の問題
　あいつらに追いかけられてるから、追いつかれたら、逃げざるを得なくなる。

急げ！！

　そんな時、声が聞こえた

『___ぃちごーーーーーーっっっ！！！！！』

　絶対にはるさんの声だ。
　応援してくれてるのだろうか。

そう思うと、少し力がみなぎってきた。

　木は、ミシミシ言いながら少しずつ切れている。
　ふと、モノズとのなんの変哲もない会話が頭をよぎる。
　
ーーーなかなか切れないよ…

ーーー木はね、こうすると、少し、切れやすくなるんだよ

ーーーへぇ！そうなんだあ！ルイくんは物知りなんだね！

ーーーへへっ！そうかなぁ//

　その記憶どおりに切ってみる。
　木はどんどん切れていく。

ーーーっっ！！！

　踏ん張って力を入れる。
　ものすごい騒音とともに、木は倒れた