六十二枚目っ! ページ13
_____
「じゃあまずは作戦A、行くよ。」
「了解。」
そう行ってまふはぴっと敬礼して、いつも通りの歩調で舞架達の方へ。
あたしはその後ろの茂みにすたたたっと小走りで移動する。
「へへへ……良いじゃねぇーかよ…」
「…っ………ぅ、えぇ」
おいこいつどさくさに紛れて「うぇえ」って言ったぞ
すると舞架の後ろで茶化したりしてる女の子達がまふに気付いた模様。
「そこの人何ー? ってめっちゃイケメンじゃん」
「でも超震えてるよー? 何ー、どうかしたのー?」
うわ……さっきまでとは全然違う猫撫で声……。
___……おい、まふー!?
気付かれない様に振り返ってまふの方を見やれば、腰の引けたそこそこのイケメン(25才)がいた。
「えっ、ぇ、ぅ…えと、何でも無いですー!!」
「えヤバイ声高いウケる」
「そっかーじゃあねーおにーさん」
いつにない速さでタタタッとこちらに戻ってくるまふ。
作戦Aこと、腹話術戦法は未遂に終わった。
向こうに気付かれない様にさらに向こうの茂みに二人で移動する。
「うぅうぅ……やっぱ無理だよ…あの子は助けたいけどさ…」
「うん、でも確かにまふにこれが出来るはずは無かった。それはあたしのせいだよ。」
「何か複雑な気持ち」
うーん…作戦Aが無理だったから……作戦Bで行くか…。
「じゃあまふ。作戦B行く?」
「うん。頑張ろ。」
二人でさっきとは違い、堂々と歩き始める。
まふはさっきはTシャツだけだったけどあたしがさっきまで預かっておいたカーディガンを羽織り直したから別の人に見えると思う。
「舞架ー!! 迎えに来たよ!」
「久しぶりだね〜。あっ、私のこと覚えてる?」
あたしが派手で強そう…? な女の子を演じた横で、まふは得意の女の子ボイスを出して、キレたら怖そう? な女の子を演じる。
「お姉ちゃんに……まふゆちゃんっ!?」
おぉ、まふゆちゃん知ってた。よかった〜。
「そうそう!! まふゆも泊まりに来てたから連れてきちゃった!」
「お! 覚えててくれてた!! で、そっちは舞架ちゃんのお友達?」
舞架はどこか悟ったと言うか、察した感じの顔。
で、脳みそ無い舞架のお友達(笑)は何か、狼狽えてる。
そして完全に状況のわかってないおじさん達……つってもまふよりちょっと年上位だけど__は更に狼狽えてる。
「ぇ……っと、そうそう!! あたし達友達なんですよ〜!!」
「そうそう!! ね! 舞架ーっ!」
いいのかそれで……。
112人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:亜蘭 | 作成日時:2017年5月10日 0時