ドジっ子・天然女（嘘）サバサバ系女（偽）不思議ちゃん（仮）による王子争奪戦・・・・を見ている凡人の私。【stxxx】

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有栖サイド

あたし、花ノ井有栖。苺宮高校の2年生。
あたしには、好きな人がいる。入学説明会の時、一目惚れしちゃったんだ。


桃宮さとみくん。


桃色の少しふわふわした髪の毛をゆらして、あたしに微笑みかけてくれた。



「あ、俺桃宮さとみ。よろしくね」



綺麗な瞳であたしを見つめてきて。あたしの心は簡単に彼に落ちた。

だから、絶対にさとみくんをあたしに惚れさせる。



入学式に間に合うように、あたしは容姿を変えることにした。



少し茶色の髪の毛をツインテールにして、大きめのカーディガンを羽織って。小柄なあたしは結構可愛く見えた。


そして、性格。元の性格は何事も深くつっこみたくない感情薄め系女子だった。



だけど、さとみくんに好かれたいから。大好きだから。

あたしは見た目にあった"天然""ドジっ子"キャラでいくことにしたの。


さとみくんの目の前で可愛いこけたり、ドジっ子っぽいところを見せて、可愛い！って思ってほしい。……ちょっと痛いとは思ったんだけど。



高校1年生。クラスは同じだった。すっごく嬉しくて、テンション爆上がり…だった



「あたし瑠川楓乃。よろしくね！」

「僕、雪野香澄というのですが、よろしくお願いします。」



ライバルが、現れたの。


あたしが天然を偽ってるのなら、楓乃はサバサバしたすっきり系性格で、香澄は不思議ちゃんを偽ってると思う。楓乃と香澄の視線は、さとみくん。


…ライバルと同じクラスなんて付いてない。


サバサバ系女子より、不思議ちゃんより、天然ちゃんの方が可愛いに決まってる。




それを信じて学校生活を送ってきた。２年生になって、またさとみくん・・・と、あの二人と同じクラスになった。ついてるのかついてないのか分かんないけど、あたしは確実に勝ちを確信していた。

だって、あたしの方がさとみくんと喋る回数多いもん。

だから今年のバレンタインにさとみくんに告白しようとしてるの(今５月)


でも先月。あたしは男子に告白された。



「ねぇ俺と付き合わない？」

有栖「・・・あたし、好きな人が、」

「それって桃宮さとみだろ？そいつさすっげぇ女遊びしてそうじゃん。だから、」



さとみくんのこと何も知らないくせに。ちゃんと断ったのに、そいつはあたしに接近し続けた。それでストレスがたまって、トイレで、呟いてたの。


「なんでよ」って。


でも、それを栗藤Aとかいう地味子に見られて・・・それで。
”私の前ではほんとの自分でいること”だって。しかも幼馴染らしいし。


あたし、自分の性格偽るの、疲れちゃって大変だから、Aと友達になることにしたんだ・・・

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