13.# 亮平side ページ14
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今日もまた、やられる。
「マジムカつく！」
阿「ｳｯ…ｹﾞﾎｹﾞﾎｯ……」
「ウザ……お前もやれよ。楽しいぞ？」
「……こんなこと、やめなよ」
阿「え、」
「はぁ？なんだよ、こいつの味方すんのかよ」
「俺、父子家庭でお母さんいないし、父さんだって夜遅くまで帰ってこない。いっつも家には一人。最初はそんな父さんへのイライラをぶつけてた。けど、それは違うなって思って。それに、頭悪いのは勉強しない自分のせいだし」
「ふざけんなよ！」
「って……んだよ！」
「いまさらいい子ぶってんじゃねぇよ！こいつみたいに親いねぇわけじゃねぇんだろ！ならやれよ！父子家庭だからなんだよ！」
岩「……亮平？」
阿「……照」
「親がいない人の気持ちも考えろよ！お前には母さんも父さんもいるだろ！この前だってわざわざお前のために謝りに来てたじゃねぇか！俺は！姉ちゃんが来たんだよ！親大事にしろよ！家族大事にしろよ！あ、すいません」
岩「……大丈夫だよ」
阿「照、ふっかに怒られるかな……」
岩「家に消毒とかあるの？」
「え、あ、いや、えーと……」
岩「家で手当してきな？」
「……なんでこんな俺の事。俺、阿部を阿部くんをいじめてたんすよ？」
岩「わかってるよ。けど、この怪我放置したら化膿して痛い思いするよ」
「……」
阿「いこ？」
「え、うん……」
岩「思えば、名前なんて言うの？」
「佐野琉斗です」
岩「琉斗か。」
阿「……お父さん何時に帰ってくるの？」
琉斗「……俺が寝たころ帰ってくるよ。女と遊びまくってるから」
阿「そっか……」
岩「……夕飯は？」
琉斗「買って帰るか食べないかです」
阿「え、食べないときあるの？」
琉斗「……食べても吐いちゃうから」
岩「それ、たぶん拒食症じゃん」
琉斗「……やっぱそうなんですかね……」
阿「給食のとき毎日俺の部屋に来てるのも……」
琉斗「食べたくないから……学校で吐いてたら絶対帰らされる。」
岩「熱ないときってどうなんだろうな」
阿「保健室は行かされるね」
琉斗「食べなきゃ行けないのはわかってるんすけどね」
岩「病院行くにも行けないのか」
琉斗「このまま死んでもいいかなって思ったり」
岩「そんな簡単に死ぬって言うなよ。まだこれからじゃん」
阿「そうだよ。俺、協力するから少しずつ食べれるように頑張ろ？」
琉斗「なんでこんないじめっ子のこと……」
阿「だって、琉斗言わされてる感ハンパなかったから」
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作者名：聖奈
| 作成日時：2020年5月13日 13時
