29. 蓮side ページ30
・
いつものように康二と学校に行く。
向「じゃあ、帰りな？」
目「うん」
向「じゃ！」
友達「おっはー！」
目「おわ！びっくりした……」
友達「ふふ、最近の蓮笑顔増えたよね」
目「そう？」
友達「明るくなった感じする」
目「んー…いいの？」
友達「なにが？」
目「前まで友達といたじゃん。俺なんかより」
友達「……」
目「え、なに？」
友達「アイツら蓮いじめてたじゃん」
目「うん…」
友達「ほんとはさ、あの輪から抜けたくて。けど、どうしたらいいかわかんなくて。蓮と友達になれば俺抜けられるかなって。なんかごめん……」
目「いいよ、俺は。いいように使ってくれていいから」
友達「蓮っ！ｷﾞｭｯ……」
目「え、ちょっ笑」
友達「……」
目「……
友達「ごめん。教室行こ！」
目「うん」
なんだろ……。
それから、休憩の度に俺の席に来る陽斗くん。
陽斗「帰り、康二くんと？」
目「うん」
陽斗「そっか」
目「一緒に帰る？」
陽斗「ううん。」
目「……」
少しだけ俺と同じ部分がある気がする。
昼休み。
みんな遊びに行って教室には女子が数人いるだけ。
陽斗「蓮！ｷﾞｭｯ……」
目「おわ！なに？」
陽斗「保健室行こ」
目「保健室？いいけど」
ｶﾞﾁｬｯ……
先生「陽斗くん、どうしたの？」
陽斗「鍵貸してください」
先生「はい」
陽斗「返すの帰りでもいいですか」
先生「うん」
陽斗「ありがとうございます」
ﾊﾞｼﾝｯ……
目「どこの鍵？」
陽斗「視聴覚室」
目「え、なんで？」
陽斗「……」
目「ぅ、」
陽斗「迷惑だよね」
目「え？」
視聴覚室まで引きずられる。
ｶﾞﾁｬｯﾊﾞｼﾝｯ……
陽斗「……輪から抜けたいから蓮と友達になって、一方的に付きまとって、迷惑だよね。ごめん」
目「……迷惑じゃない」
陽斗「いいよ。無理しなくて。わかってるから」
目「違う。初めて友達出来たし、俺から話しかけたら変な目で見られるから陽斗くんから声かけてくれるの嬉しいし。もっと頼られたい」
陽斗「……」
目「陽斗くん？」
陽斗「親が離婚すんだって。それで俺をどっちが引き取るかで揉めてて、もしかしたら施設に入ることになるかもしれなくて……」
目「施設？」
陽斗「ｺｸﾝｯ……転校するのはやだっ…れんといたいっ……」
───
話す内容が小学生じゃないのは気にしないでください。
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作者名：聖奈
| 作成日時：2020年5月13日 13時
