76.確信 ページ3
『あの…わざわざ教室までありがとうございます』
少し恥ずかしそうに、でも嬉しそうにAが言う。
いつもは部活終了後に一緒に帰っているので、まだ外が明るい時に並んで歩くのは新鮮だ。
お互いの表情がよく見えて、なんだか照れる。
「全然いいよ。ってか寧ろ迷惑じゃなかった？大丈夫？」
『まったく！一緒に帰れて嬉しいです』
真っ直ぐな言葉に菅原はまたハートを撃ち抜かれる。
A本人も自然とそう口にしていたことに自分で驚いて、口元に手を当てた。
そして再び、この前川崎から言われた言葉が頭をよぎる。
────「ザキはさ、その先輩のことどう思ってるの？異性として」
もしかして…と、これまで菅原と接していくなかで感じたことを色々思い返してみると少しずつ確信に変わっていって顔がカ〜っと熱くなる。
『(私、たぶんスガさんのこと好きなんだ。好きだから、こんなに嬉しかったり一緒にいる時間が楽しかったりするんだ)』
今まで抱いたことがなくて全くイメージできなかったが、好きという感情はこんなにもふとした時に、こんなにもあっさりと自覚できてしまうものなのか。
そう思うと急に恥ずかしくなり喉から変な声が出そうになる。
色々抑えていると、菅原が「俺も一緒に帰りたかったからそう言ってもらえて嬉しい」と笑いかけてきて心臓がヒュンっと跳ねた。
なんで今日にかぎって真昼なんだ。
部活帰りなら、きっと赤くなっているであろう顔も誤魔化せるのに。
『昨日は来てくれてありがとうございました』
何か話さなきゃという気持ちになり昨日の話題を出すが、３曲目の落ちサビで目が合った瞬間のことを思い出しまた顔が熱くなる。
「内緒で行ってごめんな。でもスゲー良かった！Aってベースは勿論だけど歌も上手いのな。良い声してたよ」
『あ、ありがとうございます。嬉しいです』
「見つけてくれてありがとうな」
『っ！！……なんか、恥ずかしいです。でもあの時目合ってすごい嬉しかったです』
真っ直ぐな言葉を伝えてくれるのはいつもどおりだが、赤くなった顔を両手で覆う仕草は新鮮で、菅原は思わず胸を押さえる。
「(なんか今日すぐ照れてて可愛い、そんなことされたら期待してしまうじゃん)」
夏の日差しが降り注ぐなかお互い悶えながら帰る時間はあっという間だったが、ものすごく濃い時間だった。
ちなみにAは帰ってからも落ち着かず、結局昼寝はしなかったらしい。
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花雪(プロフ) - 氷空さん» よかったー！( ；⌄； )何かやらかしたのかなと思ったので、安心しました( ；⌄； )そう言ってもらえると更新して良かったって思えます。ありがとうございます！ (4月16日 18時) (
レス) id: a8344563be (このIDを非表示/違反報告)
氷空 - つづききっきっ来たぁ!!!!! (4月16日 17時) (レス) id: af6b8ee638 (このIDを非表示/違反報告)
花雪(プロフ) - 氷空さん» わ！何でしょう？(･･;) (4月15日 21時) (レス) id: a8344563be (このIDを非表示/違反報告)
氷空 - えっこれって (4月15日 20時) (レス) @page5 id: af6b8ee638 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花雪 | 作成日時：2024年4月14日 15時
