そばにいさせて 4【怪盗キッド】

今日のハイライト 1 ページ15

とある休日の午前。



「ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ」



ベッドに横たわりながら、辛そうに咳き込む快斗。

私は快斗のおでこにある濡れタオルを交換する。


さっき新しくしたばかりの濡れタオルだが、すぐ生暖かくなってしまっていた。





「快斗……」



私は小さく彼氏の名前を呟いた。



快斗は私を見て、軽く睨む。

だが、すぐに咳き込んでしまい視線を逸らす。



そしてもう一度視線を戻されるが、咳き込みすぎたのか目に少し涙が溜まっていた。






「……ダメだ。ｺﾞﾎｯ」






いつものおちゃらけた声ではなく、真剣な声が耳に入る。

私は困った顔をして快斗を見つめた。






「だって、こんなんじゃ無理だよ……」



「バーロー！お前にもし何かあったら、ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ」




手を口元に当て、先程よりも辛そうに咳き込む快斗。

私は近くにあった水入りのコップをすぐに渡す。





「大丈夫だよ。今日は中森警部も風邪ひいてて休みだし……」




そう。

実は今日、キッドの予告日なのだ。



だが、ご本人はご覧のように風邪を引いてしまい、立つのが辛いぐらい重症。

なので、今回は私がキッドの代わりになって成功させて来ようと思っている。



けれど反対されまくっているのだ……。



快斗は咳き込みながら私を見る。





「ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ……」



「もー！睨まないでよー！今日はキッドキラーのコナン君だって風邪でダウンしてるんだか大丈夫だって！」








静かな時間が過ぎる。





そして快斗は小さくため息を着いた。



「…………わーったよ」



快斗はそっと私の手を握りしめる。
とても不安そうな表情をしていた。



そして続けて話す。




「無理すんなよ。もし、Aが捕まったら、俺はどんな手を使ってでも助けに行くからな」





私は優しく笑い、拳を胸にあてた。


「ありがとう……！今回は私に任せて！」

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