自覚したあとの朝 ページ16
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少し泣いてしまった所為で夜はぐっすり眠る事が出来た。少し早めに起きて皆が起きて来る前に朝ご飯の準備をした。借りてる合宿所は自分で調理して食べる方式だから、此れもマネージャーの仕事だ。料理するのは好きだし美味しいと言って貰えるのは嬉しい。昨日も夜話をしていた時に夜久さんが美味しかったって言ってくれて飛び跳ねてしまいそうなぐらいに嬉しかった。私が夜久さんに憧れ始めた頃に母が言っていた " 男の胃袋は抑えてなんぼ " その時から私は料理を習得した。元々めちゃくちゃ出来ないという訳では無かったから成長する迄時間は掛からなかったけど、その人の好みにするというのは凄く難しかった。其れを踏まえると余計に嬉しさは大きかった。
「 おはよう！」
「 おはようAさん 」
『 あ、おはよう犬岡、芝山くん、皆は？』
「 研磨さんとか夜久さんの事起こしてたよ 」
『 研磨くん朝弱いもんね〜……あ、来た！おはようございます 』
机の上に朝食を順番に出して居ると同級生の犬岡と芝山くんが挨拶をしてくれた。其の後ろからいつもの3人が寄って来て挨拶を返してくれた。山本先輩と福永先輩は机の上を見て目を輝かせ、研磨くんは眠そうに目を擦りながら椅子に座った。其の姿を見て少し笑みが零れる。ふと先程の犬岡の言葉を思い出し疑問がひとつ浮かぶ。
『 ん？そういえば、夜久さんも起きれなかったの？』
「 うん、凄い眠そうだったよ 」
鉄兄に先に食べてて良いと言われたらしく、先に両手を合わせて食べ始める皆を見ながら疑問に思った事を犬岡へ質問した。返って来た言葉に少し目を丸くする。夜久さんは朝起きるのが早いと聞いた事がある。毎朝早めに起きて走ってるというのも音駒に来る前に鉄兄が教えてくれて努力の人だなぁとまた尊敬したのを覚えて居る。
『 …申し訳無い事しちゃったな…… 』
「 んへ？」
口をいっぱいにしながら私の呟きに首を傾げる犬岡に少し笑いながら私も席について両手を合わせた。夜久さんが起きれ無かったのは私の所為だ。早く戻る予定だったのに夜久さんとの会話が楽しくてわりと遅くなってしまった事を今更後悔してしまう。少ししてから3年生組が食堂に顔を出した。
「 お、流石じゃん美味そ〜 」
『 鉄兄重い手退けて 』
私の頭の上に腕を乗せて寄り掛かる鉄兄を少し押しながら其の横に居る、耳辺りの髪をぴょんと跳ねさせながら、未だ少し眠そうに欠伸をして居る夜久さんを見てきゅううと胸が締め付けられた。
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作者名：omo | 作成日時：2024年3月25日 12時
