いつもの空気 ページ3
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『 ……大人気無い 』
攻防戦が少し続く中、キッと睨み付けながらボソッと呟くと私の事を見下ろしたまま口角を上げ「 あれぇ〜?そんな口の利き方して良いのかなぁ〜?」と端末を持った手とは逆の手に小さめの手帳が見えた。
『 …なにそ…っあ!!』
目を細めて確認するとそれは私の生徒手帳で、家を出る前に引き出しから回収するのを忘れていた事を思い出した。そんな私の思考を読み取ったのか携帯と手帳を私の頭の上にぽんっと置き「 言う事は?」と顔を覗き込まれた。う〜と唸りながら頭の上の物を受け取りなるべく小さい声で口にする。
『………ありがとう…… 』
「 よろし〜 」
私の言葉に笑みを零し、また頭の上に手を持ってきたと思えばぽんぽんと優しめに撫でられる。そんな私達を見て「 終わった?」と研磨くんが声を掛けてくると鉄兄が研磨くんと少し間を空けて歩き出す。その間の空いた空間を見て私の為にあるのだと思うと笑みが零れた。そんな私を見ると「 行くぞ〜 」と鉄兄は声を掛ける。2人の間に入る様に駆け寄るとまた3人で並んで歩き出した。
「 そういや〜お前こんな早くから行っても入学式まだだろ 」
『 ぎく 』
「 …A、声に出てる 」
「 お前まさか… 」
鉄兄が私の顔をじーっと見てくる視線から逃げる様に顔を逸らす。のを阻止される様に頭をガシッと掴まれてしまう。
「 朝練見に来るの禁止な 」
『 っなぁんでぇ!』
私の思考を読み取る様に私が喋るより先に鉄兄が口を開く。その言葉に頬を膨らませながら鉄兄の肩をバシバシ叩く。
「 1年生は来週からなんですぅ〜 」
『 けち…… 』
「 ケチで結構〜 」
私と鉄兄のこういう言い争いに慣れて居る研磨くんは無視しながらゲームに夢中。私の思惑は鉄兄に見透かされてしまい、叶う事は無かった。学校に着くと渋々研磨くんと鉄兄と別れる。
然し、入学式までまだまだ時間がある私は校内を探索でもしようかなと辺りを見渡す。
『 ぁ…… 』
ふと目に入った大きい桜の木に足が向き少し駆け足で近寄った。
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omo(プロフ) - 天ヶ瀬さん» またコメントしてくださるなんて嬉しいです🥲💗 細かく書くのが好きでなかなか時間が進まなくてすみませんが気長に緩くお楽しみください😭💗 (3月23日 23時) (レス) id: 7819485fc9 (このIDを非表示/違反報告)
天ヶ瀬(プロフ) - わ〜〜😭😭続きめちゃくちゃ気になりますいつも更新楽しみにしてます‼️‼️💖💖 (3月23日 23時) (レス) @page45 id: 2303c9977f (このIDを非表示/違反報告)
omo(プロフ) - 天ヶ瀬さん» ありがとうございます🥲こんな早くコメント頂けると思ってなかったのでとっても嬉しいです😂💗きゅんきゅん目指して頑張るのでこれからも宜しくお願いします😆✨ (3月6日 23時) (レス) id: 7819485fc9 (このIDを非表示/違反報告)
天ヶ瀬(プロフ) - もうすでに大好きです😭😭やくさん大好きなので嬉しいです更新ありがとうございます😭💗 (3月6日 21時) (レス) @page3 id: 2303c9977f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:omo | 作成日時:2024年3月6日 1時