普通の女子高生? ページ15
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ゼッケンの入った籠を持って体育館から出て行く彼女を見送り、次に黒尾を見る。俺の視線に気付いたのか黒尾と目が合い、なんだとでも言いたげな顔に少し吹き出す。
「 似てねぇのな 」
「 良く言われる 」
俺の言葉に周りも納得したようだった。彼女が作ったドリンクを飲もうとボトルを取り、水分を吸収する。するといつもと違う事に吃驚した。目を丸くしている俺を見て黒尾が口角を上げ「 夜っ久んどうした〜?」と俺の言う事が分かって居る様な声音で問い掛ける。
「 ……いつもより美味い… 」
「 ハハハッあいつ…マネージャーの仕事以上の仕事すっから、あと、ドリンクに関してはこれからもっと美味く感じると思うぜ 」
「 どういう意味だ?」
「 ……一人一人の運動量、質、好み、全て計算して個別で作ってくれっから 」
今日は何度驚いたか分からないぐらいにあの子の事で吃驚する。ドリンクを個別で作るとか多すぎる量と時間が掛かるだろう。でも黒尾が言う事は何処か確信めいて居て、本当なんだろうなと疑う余地が無かった。それはあの子の事を何も知らなくても黒尾の事は知ってる。研磨も口を挟まずに黙ってると言う事は本当の事だからだろう。俺の中でも彼女は唯の女子高生では無いと確信して居た。
「 …A、洗濯の場所分かるのかな 」
「 あ、やべ、教えてねーわ……研磨 」
「 …嫌だ 」
「 まだ何も言ってねーよ 」
そういえば先程洗濯しに行った彼女はまだ色んな物の場所は把握していないだろう。じゃあ何処に?そう思いながら黒尾と研磨のやり取りを聞いていると研磨と目が合った。
「 …夜久くんに行ってもらえばいーよ 」
「 は、俺?!」
まさかの代役に不思議に思いながらも黒尾が少し考えた素振りを見せ、俺の背中をポンッと少し押した。任せたと言わんばかりのその行動に少し睨み付けてやると黒尾にしては珍しく歯切れの悪そうな言い方をした。
「 あ-…ほら、俺らとばっかつるんでても意味無いだろー?他の仲間とも絡まなきゃ 」
黒尾の言葉に納得するような出来ない様な感じもするが早く教えてあげないと分からず戻ってくるっていうのは無駄足でしか無くなる。仕方無くボトルを置きバレーシューズから外履きに履き変えれば彼女の姿を追った。
少し走って目に入って来た少し重そうに籠を持つ彼女の後ろ姿に向かって声を掛け様にも名前で呼ぶべきか黒尾の妹だから妹と呼ぶべきか色々迷った挙句、無難に「 マネージャー!」と声を掛けた。
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omo(プロフ) - 天ヶ瀬さん» またコメントしてくださるなんて嬉しいです🥲💗 細かく書くのが好きでなかなか時間が進まなくてすみませんが気長に緩くお楽しみください😭💗 (3月23日 23時) (レス) id: 7819485fc9 (このIDを非表示/違反報告)
天ヶ瀬(プロフ) - わ〜〜😭😭続きめちゃくちゃ気になりますいつも更新楽しみにしてます‼️‼️💖💖 (3月23日 23時) (レス) @page45 id: 2303c9977f (このIDを非表示/違反報告)
omo(プロフ) - 天ヶ瀬さん» ありがとうございます🥲こんな早くコメント頂けると思ってなかったのでとっても嬉しいです😂💗きゅんきゅん目指して頑張るのでこれからも宜しくお願いします😆✨ (3月6日 23時) (レス) id: 7819485fc9 (このIDを非表示/違反報告)
天ヶ瀬(プロフ) - もうすでに大好きです😭😭やくさん大好きなので嬉しいです更新ありがとうございます😭💗 (3月6日 21時) (レス) @page3 id: 2303c9977f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:omo | 作成日時:2024年3月6日 1時