【ヒロアカ】残り、14日の命【男主】 (ページ8)

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ごちそうさま、と手を合わせた。

本当に雄英のごはんって美味しい。

ここに来てよかった。

｢…さ、食べ終わったことだし話しますか｣

ガタリと椅子を引き、みんなの顔が見えるように立つ。

するとみんなは一斉にこっちを見る。

｢…えっと…背中に羽が生えた理由は…まぁ、個性の影響です｣

謎に敬語になってしまった。

自分でも珍しく緊張してると思う。

んー、あー、とか言いながら何から話せばいいのか考える。

｢それで、俺はもうすぐ死にます｣

｢………えっ｣

一瞬でざわついた。

順序間違えたかな…いやでもハッキリ言っといた方がいいか。

｢し、死んじゃうってどういう…それも個性の影響なの！？｣

｢落ち着いて緑谷。これは個性のせいっていうか、俺の寿命が短かったんだよ｣

そう、寿命が短かった。

ただそれだけのことだ。

｢…もう少しわかりやすく話せ｣

険しい顔した轟が言う。

｢…俺の個性はみなさんご存知の通り、蛹です。
体がちょっとだけ硬くなったり脱皮できたり。それにもうひとつ特徴があります。

小学校で習ったと思うけど、蛹からかえると成虫になる。いわば蛹は成虫になるための準備期間。

この蛹になっている期間=自分の寿命、ってのも俺の個性なわけです。

そして昨日。俺の体は蛹から成虫へとなった。
……これはつまり、もう少しで命が尽きるってことを意味している｣

長い説明を終えるころには周りは静まりかえっていた。

…騒がしかったり静かだったり、忙しいクラスだなA組は。

｢あとすこしって…どれぐらいだよ｣

｢そうだなぁ、見たところアゲハっぽい羽してるから…だいたい2週間ってところかな｣

｢そんな…｣

｢昨日も含めるとして、あと13日だね｣

クラスメイトが言葉を失う中、先生が沈黙を破る。

｢もうすぐ死ぬってのに…お前はどうしてそこまで冷静にいられる？｣

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