転校生と主役たち【wrwrd】 (ページ33)

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本性ページ33

『ロボロ、今日は一緒に帰れないけど、明日は一緒に帰れるから…』

「…今日一緒に帰れない代わりに、今度また、アイス食べに行こうな。そんときは奢るから」

やった、タダ飯だ。タダ飯ほど嬉しいことはない。

『ありがとう2人とも。じゃあまた明日』

そう言い、ロボロとシャオロンと別れる。

「A、すまんけどちょっと急げるか？」

『え、待って。私今足けがしてるから走れないよ？』

「じゃあ俺がおぶってくわ。痛かったら言ってな」

ゾムがそう言い、私の目の前でしゃがむ。

でも、よく考えればおんぶってめっちゃ胸あたるじゃん…どうしよう…

「ほら、早くしないと練習試合に遅れてまう」

私のせいで練習試合に遅れてしまったら、本当に申し訳ない。

こうなったら、腹を括っておんぶされるか…

そう思い、ゾムの背中に乗ろうとした瞬間

「Aちゃん！ゾムはただのむっつりスケベや！」

鬱先生の叫び声がどこからか聞こえてきた。

声のした方を見ると、鬱先生が保健室の窓からこちらを見ている。

え、てかむっつりスケベ…？

「絶対そいつにおんぶされたらあかん！」

「チッ…じゃますんなや大先生」

ん？え？

『も、もしかして…練習試合に遅れるっていうの…嘘…？』

「そうやけど、なんや文句でもあんのか？」

文句しかないわ！ふざけんなよまじで！

「あとちょっとでいけそうやったのに…大先生のせいやぞー」

『…まさかだけど、最初から全部嘘…とかないよね？』

「助けてほしいっちゅうのは嘘や。メンヘラの元カノがいるってのは本当」

『なんでそんなことを…？』

「だってお前、俺好みのいい身体しとるんやもん。そりゃ関わりたくなるわ」

うーわ、ガチでむっつりスケベじゃん。教えてくれてありがとう鬱先生！

なんで私に助けを求めてくるやつは嘘しかつかないんだ？そういう運命？だとしたら残酷すぎる。

『気持ち悪…』

あ、やべ、心の声が。

「なんでや、女なんて所詮そんなもんやろ？あ、マネージャーやってほしいっていうのは本当やから、ついてきてな」

所詮そんなもん…とはどういうことだろう。
彼は女には何をしてもいいと思っているのだろうか。

そう考えながら、大人しくゾムについて行く。

今はまだ、それはダメだと伝える言葉が思いつかない。だから、思いついたら伝えよう。

私が絶対にゾムの思考を矯正させてみせる。