転校生と主役たち【wrwrd】 (ページ31)

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友達ページ31

「この前聞いたんや。そいつが友達に、ゾムくん監禁しようと思ってるって言ってるとこ」

なんて不用心なやつ。本人がいる前で言うとか、花園さんより頭悪いだろ。

『なるほど。それで、私は何をしたらいいんですか？』

「もし、俺が監禁されたら助けてほしい」

『…私にメリットなくないですか？』

私は誰でも助ける善人ではないので、メリットがない限り動かない。

『私は善人ではないので、友達以外はメリットなしに助けたりしません』

さあ、なにかメリットを提示しろ。

「つまり、友達だったらメリットなしに助けてくれるんやな…」

『そうですけど…』

「じゃあ、今日から俺ら友達な！」

…は？まてまてまてまて

友達ってこうやってなるものだっけ？いや、絶対に違う。

『待ってください。そんな無理矢理友達になっても、助けませんよ』

「やっぱだめかぁ」

わかってんならやめろよ！

「じゃあ、お前が絶対に俺のこと助けたいって思うようにしたるから、覚悟しとけや」

ゾムさんがそう言って笑う。口から見える歯がギザギザで「これがいわゆるギザ歯ってやつかぁ」と呑気に考える。

「俺の元カノの名前は藤宮桜、俺と同じクラスや」

あれ？これもう助けるの決定？まぁいいや。

『ゾムさんが、私をその気にできたらいいですよ』

「よっしゃ！ありがとな！」

そのあと、ゾムさんとラインを交換して、教室に戻った。

その数秒後

「Aー！俺とも昼飯食おうや！」

「は？」

「げっ！ゾム！」

「なんでここにおるん？」

まさかの、ゾムさんが弁当箱を持ってうちのクラスまで来たのだ。行動が早すぎる。

「よく聞いてくれたな大先生！俺も今日からAと友達になるために頑張るんや！」

「やばいぞA。ゾムと飯食うのはまじでやばい」

シャオロンが小声でそう教えてくる。
一体なにがやばいんだ…？

「A、飯それだけで足りるん？俺のやろうか？」

「ゾム！Aに食害はやめたれ！友達になれんくなるぞ！」

「じゃあこれはシャオロンにやるわ、ほい」

ゾムさんがそう言い、シャオロンの口に開封したパンを次々と詰め込む。

え、あれを私やられるところだったの…？ごめんなシャオロン…シャオロンの犠牲は1週間は忘れないよ…