転校生と主役たち【wrwrd】 (ページ16)

今日:1 hit、昨日:11 hit、合計:63,730 hit

ピンチページ16

それから数日間は、特にこれと言ったことはなかった。

花園さんも、ロボロをストーキングするだけで、私には手を出してこない。

今日もいつも通りロボロと帰る。この状況を平和と言うのも少しあれだが、平和すぎて不安だ。

『あ、学校に課題忘れちゃった。すぐ取ってくるから待ってて！』

「え、ちょ…！」

そう言い、ロボロを置いてダッシュで学校へ向かう。

自分の教室に入り、私の机から課題を回収する、そして教室を出ようとした。

そう、出ようとしたのだが…

『花園さん…』

なんと、教室の扉のところに、花園さんが立っていたのだ。

「久しぶりね、裏川さん」

『…なんの用ですか？』

これからボコられる予感しかしない。こんなことになるなら、ボイスレコーダーや小型カメラでも買っておけばよかった。

「なんの用ですか、じゃないわよ、あんたまだロボロくんと別れてないの？やっぱり、一度痛い目を見ないと分からないのね」

花園さんがそう言いながら、じりじりと私に近づいてくる。前回蹴られたこともあり、割と怖い。

花園さんが私の近くまで来た瞬間、私の足に鋭い痛みが走る。

『いっ…！』

痛い痛い痛い。まじで痛い。

前回とは比べものにならない痛みだ。
花園さんの手を見ると、カッターを握っていた。

え…ついにカッター使うとかやば…てかこれピンチでは？

そんなことを考えていると、花園さんに突き飛ばされ、馬乗りになられる。

「なんであんたなのよ！たいして可愛くもないくせに！」

『い…った、うっ…』

花園さんが、何度も私の足を切る。

さすがに刺すとやばいと分かっているのか、ゆっくりじわじわと切ってくる。流石性格ブスだ。

花園さんの手を止めて、反撃することも出来るが、逆上されて心臓を刺されかねないのでやめておこう。

そして今、私の身体は震えている。こんなの怖いに決まっているだろう。こちとらか弱い乙女だぞ。

けれど、私には言わなきゃいけないことがある。次会ったら言おうと決めていたんだ。

『花園さん、私、あなたを退学させることにしました』

「は…？」

花園さんの手が止まる。