三十 ページ31
Aside
翹英荘へと戻る道中私たちは他愛のない会話をしながら步を進めた
時に小休憩を兼ねてお茶を飲んだりして
あっという間に沈玉の谷まで…
『行きよりあっという間だったな〜…』
大分霧がかってきた見慣れた風景
帰ってきた。という感覚
嘉明「そうか？まだ全然歩けそうだな」
『いやいや…、勘弁して』
嘉明の元気さにたじたじしていると、ふと頭をよぎったこと
もうすぐ嘉明との旅も終わりかぁ…
いや、本当の目的は旅行じゃなくて父から頼まれた仕事だけど！
ちらりと隣を歩く嘉明の顔を盗み見る
大きくなったな……いや、前から私より大きいけど
そういう意味じゃなくて！
顔つきが凛々しくなったし、やんちゃさは残っているけど大人っぽくなったというか…
鏢師になったからなのか、頼り甲斐も出てきた
相変わらず獣舞劇に一途で熱心だし
好きなことを追いかけ続けるって簡単そうに見えて本当はとても大変なこと
嘉明の揺るがない信念は本当に尊敬している
ジーーーッと見過ぎだっただろうか
嘉明が私の視線に気づいたようでパッとこちらを振り向く
嘉明「どうした？オレの顔に何かついてるのか？」
『ううんなんでもない！』
いきなりバッチリと至近距離で目が合うものだから私は風の速さで顔を背けた
なに幼馴染の顔に見惚れてしみじみしてるんだか…！
きっともうすぐお別れだから感傷的になってるだけだ
嘉明「………。A、こっち向いてくれないか？」
いつもよりも静かな声で嘉明が私の名前を呼んだ
『なに……………っん！？………え？』
薄く霧がかる中、嘉明の方を向くと同時に私の唇に何かが触れた
嘉明「思ったとおり。やっぱりこの色が一番似合うな！」
戸惑う私に嘉明はお構いなく続ける
『んんんん？！んーっ！』
嘉明の指が私の唇に何かを塗っていて話したくても口を開けられない
嘉明「ははっ。わからないぞ、なんで言ってるんだ？」
ちょっと揶揄われてるような気がしてきたのは私だけ？
漸く嘉明の指が離れたかと思うと嘉明は自分の指と持っているものを私に見せてきた
私の唇に触れていた嘉明の指はいくつか月季紅に染まっていて、反対の手に持っているものは…
嘉明「Aに似合う色。そう思って港で買ったんだけど……」
どうかな？と少し照れ臭さそうにする嘉明
『………』
私は…嘉明にバレないように自分の胸の前で静かに手を握った
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おりんぽす(プロフ) - るみさん» 率直なご感想ありがとうございます！とても嬉しいです☺️更新のモチベにつながります˚✧₊⁎ (2月26日 20時) (
レス) id: f4e7ffa9c5 (このIDを非表示/違反報告)
るみ(プロフ) - 好きです(コメント失礼します)大事なことなのでもう一度言います(？)好きです！！！ (2月26日 1時) (レス) @page38 id: 270f4769cf (このIDを非表示/違反報告)
おりんぽす(プロフ) - 星空ブリキさん» 以前も万葉くんの小説にコメントくださいましたよね…？！変わらず応援してくださって本当に嬉しいし励みになりますありがとうございます😭！嘉明くん推しなんですね！彼の魅力を引き出せるよう頑張ります！ (2月15日 10時) (レス) id: f4e7ffa9c5 (このIDを非表示/違反報告)
星空ブリキ(プロフ) - おりんぽすさんの作品をいつも楽しく拝見してます! まさか推しの小説を書いている……………!!? めっちゃ嬉しいです! (2月14日 16時) (レス) id: 2cdbc326e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おりんぽす | 作成日時：2024年2月12日 21時
