落花流水の情【放浪者】

diary.5 ページ7

Aside


船は順調に航路を進めて行く


移動中、私は北斗さんや万葉に色んな人を紹介してもらって会話を楽しんだり


めくるめく変わる景色を見たりと初めての船旅はとても楽しいものになった


楽しい時間はあっという間


船員達のおかげで稲妻を出てから不安を感じることがなかったのはありがたい


これからが問題なのだけれど…！


北斗「ここがオルモス港だ、ここから北に向かうとスメールシティに行ける」


万葉「道中気をつけるのだぞ」


『何から何までありがとう…、みんなも元気でね！』


短い時間だけだったけど


本当にお世話になったからまたどこかで会えるといいなぁ…


名残惜しく手を振って港から離れる死兆星号を見送る


『……っよし！』


気合いを入れてスメールシティまで向かうぞ〜！


実はスメールシティでは神子さまが手配してくれた旅のプロが私のことを待っているらしい


スメールでの新生活に慣れるまでサポートをしてくれるように神子さまがお願いしたのだとか


何から何まで色んな人に助けられている


今すぐ鳴神大社に戻って感謝の気持ちを伝えたいくらい…


『とにかく！まずはスメールシティまで行かないと』


賑やかなオルモス港を歩き進める


稲妻とは全然違う景色、


湿度と温度も高くて風の香りも全然違う


川岸に並ぶお店には果物や魚などが所狭しと並んでいる


景色ひとつだって私には全てが新鮮なのだ


そういえば、私がこれから向かう教令院の制服を着た人たちがちらほら


学院内で勉強するだけじゃなくてこうして外に出向くこともあるのか


これから始まる学院生活に胸を躍らせていると


ぐるるぅぅ〜っと


お腹の虫が騒ぎだす


稲妻を出てから何も食べていなかった…


『まずは腹ごしらえ、かな』


辺りを見渡してレストランを探す


無事スメールシティまで辿り着けるように英気を養うぞ〜っ！


『すいません、この茶色いやつひとつお願いします！』


何か分からないものだらけだけどものは試し


料理が運ばれてくる間、私はその料理の味を想像してはお腹を鳴らし続けていた

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