刃を握る ページ8
どれだけ走ったか分からない
もう足の感覚もない
必死に走っていると真っ黒い服を着た青年を見つける
背中には滅の文字があり、手には刀を持っていた
『はぁはぁ！すみません！！』
Aは出せる限りの声を出す
｢！どうかし…！！まて！君その血はどうした！？｣
化け物の腕が飛んだ時についた返り血をみて驚く
慌てる男の腕を掴みながら必死に訴える
『あの！実はいま化け物が！！父が！！』
｢化け物！？鬼のことか！？｣
『鬼？鬼かどうか分からないけど！！父を！！助けて！』
｢わかった！俺が行くから、君は安全な場所へ逃げーザシュッ ！『！？』｣
Aの顔に大量の血が降り注ぐ
ゆっくりと目の前から男が崩れ落ちていく
男の後ろには、父の姿があった
いや、正しくは…
『とう…さ…ま？』
父だった…なにかだ
父の姿をしているがあんなに父の爪は鋭かったか？
あんなに歯は獣のような歯だったか？
優しかった父の顔はどこにも無い
『父様…？ねぇ、父様…？どうしちゃったの！？』
｢グルルルッ｣
信じたくない
これが父様だということも
人の命を大切にする父が
人の命を奪ったことも
何が起こってるの？？
『ねぇ…父様…』
｢グガアアアア！！｣
『！！』
大きく口を開け鋭い爪で襲ってきた父を避けるが、人とは思えない速さに避けきれず傷を負う
『あああああ！！』
痛みに苦しむ
ポタポタと血の流れも止まらない
動けずにいると再び父が襲ってくる
Aは咄嗟に青年が持っていた刀を握る
ーザシュッ
襲ってきた父の腕を斬りつける
｢グガアアアア！！！｣
傷が痛いのだろう
斬られた腕を抑えながら蹲る
しかし暫くすると傷が消えている
なぜ…人間じゃありえない…
『そ…そんな…どうして…』
あの時父を一人にしなければよかった
一緒に逃げればよかった
そうしたら父は化け物にならなかった
医者である父が人の命を奪うことも無かった
『父様…お願い…戻って…』
Aは涙を流す
しかしその声は父には届かない
そんなAに父は再び襲いかかる
ーグサッ
両腕を父に切りつけられながらもAは真っ直ぐ手に持つ刀で父の心臓を突き刺す
｢ガハッ｣
口から血を大量に吐き出す
『ごめんなさい…父様…』
｢…くれ…｣
『！！！』
ー首を斬ってくれ
ただ一言それだけ呟かれた
苦しいのか…父の目からは涙が流れている
Aは刀を握る手に力を込める
『父様…大好きよ』
ーザシュッ
父の首目掛け刀を振り下ろした
。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 147人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
涼(プロフ) - 柚葉さん» 返信ありがとうございます！私のページに飛んでいただくと、マイボード宛にメッセージができるようなので、そこにサイト名とかを書いていただくことはできますでしょうか？ (5月10日 17時) (
レス) id: a683de9e79 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - えーー！！どうすればいいですか？ (5月10日 7時) (レス) @page4 id: d20b43a216 (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - 初めから全て読ませていただいてとっても感動しました！続きがすごく気になります。不躾なお願いではありますが、どのサイトで更新されているのか教えていただくことは可能でしょうか。よろしくお願いします。更新頑張ってください (5月10日 2時) (レス) id: a683de9e79 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - えーー😭😭😭 (2022年3月24日 20時) (レス) @page4 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
月の舞 - 暁さん» 初めまして、最初から読ませました。とても面白いです^ ^ド直球な煉獄さんと主人公ちゃんが面白いです^ ^続きが気になります。更新頑張って下さい！ (2021年12月7日 20時) (レス) @page3 id: d531dd11f3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：暁 | 作成日時：2021年11月14日 19時
