新しい生活 ページ6
｢すごい雨だ…｣
都市部から離れた小さな診療所で一人の男が呟く
予報にはなかった
急に天気が変わるとは何か嫌な予感がする
そう思いながらふと外を見る
そこには一人の女の子が傘もささずに立ちすくんでいた
｢ん？誰かい…！！？！？｣
男は傘を持たずに少女の元へ駆け寄る
｢A！！！！｣
雨でずぶ濡れだとしても分かる
頬には涙のあとがある
何があった、荷物は何も無い
｢どうしたんだ！！とりあえず中へ！｣
『父様…』
ードサッ
｢A！！｣
自分の名前を呼ぶ父の声を最後にAは意識を手放した
ーーー
ーー
『…んっ……』
Aは目を覚ます
雨はすっかり上がり、気持ちの良い晴れた朝を迎えていた
顔だけ動かし部屋を眺める
見慣れない天井、壁、窓を一つずつ認識していく
そうだ、父の所へ来たのだ
｢目が覚めたか？｣
声がした方を向けば、優しく父が微笑んでいた
朝ごはんだろうか、父の手にはおにぎりがあった
｢聞きたいことは山ほどあるが、まずは腹ごしらえだ。食べれるか？｣
父の語りかけに頷きゆっくり起き上がる
おにぎりを受け取ると少しずつ食べ始めた
初めて食べる味なはずなのに、どこか懐かしさを感じAの目からは涙が零れる
父は何も言わずに寄り添い背中を擦る
Aはぽつりぽつりと家を飛び出してきたことを話だす
最後まで話を黙って聞く父は今まで見た事のない顔だった
｢…A、父さんと一緒にここに住もう｣
『私ここにいていいの？』
｢当たり前だ。Aさえよければ、診療所を手伝って欲しい｣
家から父の診療所はだいぶ距離があった
昨晩無我夢中で走っていたとはいえよくここまでたどり着いたものだと我ながら思う
必然的にここから今務めている病院へ通うことは難しいだろう
なにより、家出をしているからこそ母が病院まで押しかけてくるかもしれない
それでは病院にも迷惑がかかるとAは決心する
『私…ずっと母様の言いなりだった。医者だって母様に言われて目指してた。でもいつの間にか医者でいたいって思うようになったんだ』
Aは父を見つめる
『父様と一緒に、たくさんの人を救いたい』
Aの言葉をうけ、父ー勇大は優しく頷く
｢Aなら、きっと素敵な医者になる。こんなに立派に優しい子に育ってるんだからな｣
『私…がんばる』
｢そんな構えなくていい！少ししたら生活に必要なものでも買いに行こう｣
父の言葉に頷く
こうして父と娘の新しい生活が始まろうとした
。
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涼(プロフ) - 柚葉さん» 返信ありがとうございます！私のページに飛んでいただくと、マイボード宛にメッセージができるようなので、そこにサイト名とかを書いていただくことはできますでしょうか？ (5月10日 17時) (
レス) id: a683de9e79 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - えーー！！どうすればいいですか？ (5月10日 7時) (レス) @page4 id: d20b43a216 (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - 初めから全て読ませていただいてとっても感動しました！続きがすごく気になります。不躾なお願いではありますが、どのサイトで更新されているのか教えていただくことは可能でしょうか。よろしくお願いします。更新頑張ってください (5月10日 2時) (レス) id: a683de9e79 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - えーー😭😭😭 (2022年3月24日 20時) (レス) @page4 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
月の舞 - 暁さん» 初めまして、最初から読ませました。とても面白いです^ ^ド直球な煉獄さんと主人公ちゃんが面白いです^ ^続きが気になります。更新頑張って下さい！ (2021年12月7日 20時) (レス) @page3 id: d531dd11f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁 | 作成日時：2021年11月14日 19時
