冷えた心 ページ1
『はぁ…はぁ…うっ…』
暗い夜道の中の一人の少女が息を切らしながら血が溢れ出す左腕を抑える
決して軽度ではない傷を負いながらも少女は足を動かずことを辞めない
なぜ…
どうして…
『待って…！父様…！』
父の後を追い、ひたすら夜道を走り続けていた＿＿＿
ーーー
ーー
ーガシャン！！
部屋に大きな音が鳴り響く
(…帰ってきた)
Aはパタンと読んでいた本を閉じ、様子を伺いに居間へと向かう
そこには酔っ払っているのか、母ー牡丹が床に倒れ込んでいる
倒れた拍子に一緒に落ちたのだろうか、花瓶が床に散らばっている
「ん〜〜…A〜…」
意識があって呼んでいるのかわからない中、Aはスッと母を起こし、座らせる
そして用意した水を飲ませ、花瓶の破片で怪我をした母の手当を始めた
こうして母が帰ってくることは珍しくない
Aが幼い頃、牡丹はAの父ー勇大と離婚している
「なんで…私ばっかり…」
決まって牡丹はこう話だす
「私の何がいけないの？誰も助けてくれない…Aはどこにもいかないわよね？そばに居てくれる？？」
『…疲れたでしょ？休んだら？』
「Aは？いい子にしてたの？ちゃんと勉強した？」
『してたよ』
「早く医者になって、安心させてちょうだい？母さんとAのためだからね」
わかってるよと牡丹を落ち着かせるように語りかけ、近くに敷いた布団に牡丹を寝かせればすぐに寝息が聞こえる
ふうとため息を漏らし、静かに自身の部屋に戻る
母と娘の二人暮らし
生活は楽ではなかった
父がいたら…と考えることもある
なぜ離婚したのか、しっかりとした理由は聞いたことはないが、大抵想像はつく
あの母の性格…金遣いの荒さ、男へのだらしなさ
きっと愛想つかされたのだろうと嫌でもわかった
父が医者であることは飽きるほど聞かされ、Aは医者になるのよと散々言われ、毎日勉強の日々だ
大量の本と机しかない部屋に住む自分は年頃の女の子と呼べるのだろうか
誰かと遊んだりなどなかった
『父様が…いたらなぁ…』
もう顔もわからないが微かな記憶の中に残る、父の温もりを探る
きっと…優しかったに違いない
なんのために医者を目指しているのだろうか
母のため？自分のため？
『考えても仕方のないこと…』
Aはパチンと自身で両頬を叩き、心を入れ替える
もうすぐ医師免許取得の試験がある
どうせ受けるならば受かりたい
Aは再び本を読み始めた
。
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涼(プロフ) - 柚葉さん» 返信ありがとうございます！私のページに飛んでいただくと、マイボード宛にメッセージができるようなので、そこにサイト名とかを書いていただくことはできますでしょうか？ (5月10日 17時) (
レス) id: a683de9e79 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - えーー！！どうすればいいですか？ (5月10日 7時) (レス) @page4 id: d20b43a216 (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - 初めから全て読ませていただいてとっても感動しました！続きがすごく気になります。不躾なお願いではありますが、どのサイトで更新されているのか教えていただくことは可能でしょうか。よろしくお願いします。更新頑張ってください (5月10日 2時) (レス) id: a683de9e79 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - えーー😭😭😭 (2022年3月24日 20時) (レス) @page4 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
月の舞 - 暁さん» 初めまして、最初から読ませました。とても面白いです^ ^ド直球な煉獄さんと主人公ちゃんが面白いです^ ^続きが気になります。更新頑張って下さい！ (2021年12月7日 20時) (レス) @page3 id: d531dd11f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁 | 作成日時：2021年11月14日 19時
