【十】 嫌な予感と ページ10
『さてと、私三郎さんと話せたことですし学園長先生のところへ帰ってみますか』
するっと彗さんとの手を離した。
彗さん、白い綺麗な手の割には少し硬い手をしていました。
きっとくのたまとして一生懸命忍術を学ぶことに励んでいるからでしょうね。
―――――
「早速好き勝手やっとるのぉ」
『おかげさまで三郎さんとお話しできました』
私は周りにお花が飛んでいるほど浮かれているが、学園長先生は呆れた様子でため息をついている。
でも、……彗さんのことがやはり気になる。
可愛かったなあ。
『学園長先生、彗さんのことなんですが』
「おおくのたまの彗か、なんじゃ?」
ああっ、気になるあまり学園長先生にまで三郎さんと彗さんのことを聞きたくなっている!
『ぐぐ……彗さんはきっと努力家なのででしょうね』
「ほぉ、どうしてそう思った」
『え、と彗さんの手は少し硬いなと思いまして。そしてそれは忍術を学ぶことに励んでいるからなのかなと思いまして』
焦って思っていたこととはまた違ったことを口走ってしまった。
私の推測にふぅ、とまた溜息をついた。
私の推測は間違っていたのだろうか。
「お主の噂は以前から耳にしていたが……まだまだじゃの」
『まだまだ……?確かに私は何もかも未熟ですが……。
今回は何処が未熟なのですか?』
「自分で考えるんじゃ」
『もったいぶらず教えてください』
一向に教えてくれる様子がない。
彗さんに関すること?
そしてピコンとある嫌な考えが思い浮かぶ。
(も、もしかして……彗さんと三郎さんって……既にそういう仲だったりして!?!?)
それはとても困る!
確定ではないがやっぱり警戒しよう、友達だけど。
『……だから久々知君は見てられなくてこっちを向いてすら
くれなかったのでしょうか?私って痛い女??』
「なーに一人でぶつぶつ言っとるんじゃ。あぁ、そうじゃ。Aの部屋はこれから空き部屋を探すでの」
『え、三郎さんと同じ部屋じゃないのですか?』
「だぁれが思春期男女を一緒に寝させるか!というかこちらに部屋は余っとらんわい!」
『安心してください、営みは婚約してからです』
「言わんでいいわい」
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ティコ(プロフ) - 天然水豆腐さん» 私も、天然水豆腐さんの作品も、天然水豆腐さんもすごく大好きですよ!これからも頑張ってください!応援してます! (2019年2月17日 12時) (レス) id: e878cfb355 (このIDを非表示/違反報告)
天然水豆腐(プロフ) - ティコさん» 軽くどころかコメント頂くたびにはしゃいでいる人間なのでコメントをくださった方は私にとって神様のような存在です、大好きです!笑ティコさん、こちらこそ嬉しいです!頑張りますね!! (2019年2月17日 12時) (レス) id: 50e857828e (このIDを非表示/違反報告)
ティコ(プロフ) - 天然水豆腐さん» いつもってことは軽く認知されてるのかなってすごく嬉しくなりました!大変だと思いますが頑張ってください! (2019年2月12日 0時) (レス) id: e878cfb355 (このIDを非表示/違反報告)
天然水豆腐(プロフ) - ティコさん» ちょっと新作を書くとしたらどんなのがいいかな、と悩んだものでして(笑)なるほど・・・・・・私も五年生が好きなので五年生中心になっちゃうんですよね・・・!!貴重なご意見ありがとうございました・・・っ(感動)本当にいつもありがとうございます! (2019年2月11日 21時) (レス) id: 50e857828e (このIDを非表示/違反報告)
ティコ(プロフ) - 新作...!私的には三郎が一番好きなので5年生が中心とか、三郎落ちとかだと嬉しいんですが...また同じだとちょっとあれですよね、天女系とか、先輩後輩系とかたくさんありますよね...でも、どのお話でも天然水豆腐さんのお話が好きなのでめっちゃ読むと思いますww (2019年2月11日 21時) (レス) id: e878cfb355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天然水豆腐 | 作成日時:2018年11月26日 20時