検索窓
今日:25 hit、昨日:14 hit、合計:53,350 hit

【四十九】 来客 ページ49




――なんでお前、Aさんに冷たい態度とってるんだ?

頭の中でその言葉が繰り返すようにリピートされる。
木陰でよく本を読む久々知兵助はそのリピートされる言葉に気を取られ、集中できないままだった。

「ふぅ、三郎があんなこと聞いてくるからだよ・・・・・・全く」

目を細めて小さなため息をつく。
兵助自身もあれから考えていた。

「俺が冷たい態度をとる理由は・・・・・・」

暫く考え込んでいた兵助。
するとすぅ、と何かが浮かんできた。

それは懐かしく感じるものだった。


そのまま目を閉じて、気にもたれ掛かる。
兵助は切なそうに微笑んで呟いた。


「思い出させないように関わってるだけ、だよ」

意味深げに一人で納得してまた本を開いた。
兵助が本をまた真剣に読み始めたのと同時に周りの賑やかな声もだんだんと小さくなり、本の内容だけが頭の中に入ってくる。


するとざっ、ざっ、という歩く音が近くで聞こえた。
その音は自分の目の前で止まる。

足元からゆっくり顔までに視線を上げるとそこには学園の生徒でもなく、教師でもない人間が立っていた。
しかし曲者、という訳でもなく。

すっとした輪郭にきつい目元。
長い髪を下で結っている四十代前半ぐらいだろう、女性。

「久しぶりね、兵助君」

その女性は兵助の名前を知っていた。
また、兵助もその顔と声は知っている。

女性はそのきつい目元を細くして笑っていた。
愛想笑いのような嬉しくない笑みだ。


「お久しぶりですね、でも・・・・・・どうしてここに?」
「えぇ、まぁ確認ってところかしら」

兵助はよくわからない返答に戸惑った。


「案内、してくださらないかしら」

忍術学園の来客であろう女性はそう言った。



 

【五十】 勘はよく当たる→←【四十八】 天使の手



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (47 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
60人がお気に入り
設定タグ:忍たま , RKRN , 五年生
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ティコ(プロフ) - 天然水豆腐さん» 私も、天然水豆腐さんの作品も、天然水豆腐さんもすごく大好きですよ!これからも頑張ってください!応援してます! (2019年2月17日 12時) (レス) id: e878cfb355 (このIDを非表示/違反報告)
天然水豆腐(プロフ) - ティコさん» 軽くどころかコメント頂くたびにはしゃいでいる人間なのでコメントをくださった方は私にとって神様のような存在です、大好きです!笑ティコさん、こちらこそ嬉しいです!頑張りますね!! (2019年2月17日 12時) (レス) id: 50e857828e (このIDを非表示/違反報告)
ティコ(プロフ) - 天然水豆腐さん» いつもってことは軽く認知されてるのかなってすごく嬉しくなりました!大変だと思いますが頑張ってください! (2019年2月12日 0時) (レス) id: e878cfb355 (このIDを非表示/違反報告)
天然水豆腐(プロフ) - ティコさん» ちょっと新作を書くとしたらどんなのがいいかな、と悩んだものでして(笑)なるほど・・・・・・私も五年生が好きなので五年生中心になっちゃうんですよね・・・!!貴重なご意見ありがとうございました・・・っ(感動)本当にいつもありがとうございます! (2019年2月11日 21時) (レス) id: 50e857828e (このIDを非表示/違反報告)
ティコ(プロフ) - 新作...!私的には三郎が一番好きなので5年生が中心とか、三郎落ちとかだと嬉しいんですが...また同じだとちょっとあれですよね、天女系とか、先輩後輩系とかたくさんありますよね...でも、どのお話でも天然水豆腐さんのお話が好きなのでめっちゃ読むと思いますww (2019年2月11日 21時) (レス) id: e878cfb355 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:天然水豆腐 | 作成日時:2018年11月26日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。