【四十七】 軽い攻撃 ページ47
『お口チャックです』
「えっ、ちょ、なにっ!」
くのたまの子の目の前まで近づいて人差し指で口をまるでチャックを閉める様な仕草をする。
伝わっただろうか、チャックを知らないかもしれないと内心自分の言ったことに少しだけ後悔した。
Aは軽い攻撃をすることにした。
『貴方が私を嫌っている理由は何ですか』
その質問をすれば一瞬躊躇い、その直後焦った口調で言い始めた。
「あ・・・・・・貴方が怪しいからよ!くのたまなんだから警戒して当たり前・・・・・・!」
こじつけた様な理由だった。
今その場で考えた様なこと。
『本当は違うのでは?』
「えっ、なんでよ?」
言い切ったことに安心しているのか余裕の笑みを向けられる。
『貴方、三郎さん好きですよね』
「っ・・・・・・!?」
「え、えっ!?そうなの・・・・・・!?」
『この前お庭辺りで貴方を見かけた時にじっと赤い顔で三郎さんを見てましたよね。何にも思ってない、ましてや友達と結ばれてほしい人に向ける顔ではないはずです』
「なっ、彗!この人のことなんて嘘だから!それに三郎とは彗と・・・・・・」
『だからお見合い相手と知った私が気に入らなかったのでは?どうせなら彗ちゃんと結ばれた方が良いと、マシだと思ったんじゃないですか?』
女の子は口ごもる。
『私に当たるのは別にいいんですけど他の人に当たるのは良くないと思いますよ、彗ちゃんとは友達なんでしょう?じゃあ睨むなんてことやめましょう』
「なんで貴方にそんなこと言われなきゃ・・・・・・」
『友達が傷ついてましたから』
「Aさん・・・・・・」
Aの言う友達、は間違いなく彗のこと。
ぽかん、としていた彗はその後じわじわと心が曇っていた。
いつも自分を気にかけてくれていた友達睨まれたからだろう。
『でも貴方、優しいですね』
その子よりも数センチ身長の高いAはくのたまの子の頭を優しく撫で、にっこり微笑んだ。
くのたまの子も彗も驚いた顔をしていた。
『貴方、自分の恋より友達の彗ちゃんの方を優先したんですよね。偉いです』
くのたまは何も言えなくなって、静かに「訳わかんない」そう呟いた。
Aの言ったことが嘘でも本当でもこのくのたまに攻撃ダメージは大きい。
『彗ちゃんが、大好きなんですよね』
Aはコミュニケーションが上手故、警戒心や敵対心をもった相手とでも仲良くなることが出来る。
本人は無意識なのか自覚済み、なのか。
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ティコ(プロフ) - 天然水豆腐さん» 私も、天然水豆腐さんの作品も、天然水豆腐さんもすごく大好きですよ!これからも頑張ってください!応援してます! (2019年2月17日 12時) (レス) id: e878cfb355 (このIDを非表示/違反報告)
天然水豆腐(プロフ) - ティコさん» 軽くどころかコメント頂くたびにはしゃいでいる人間なのでコメントをくださった方は私にとって神様のような存在です、大好きです!笑ティコさん、こちらこそ嬉しいです!頑張りますね!! (2019年2月17日 12時) (レス) id: 50e857828e (このIDを非表示/違反報告)
ティコ(プロフ) - 天然水豆腐さん» いつもってことは軽く認知されてるのかなってすごく嬉しくなりました!大変だと思いますが頑張ってください! (2019年2月12日 0時) (レス) id: e878cfb355 (このIDを非表示/違反報告)
天然水豆腐(プロフ) - ティコさん» ちょっと新作を書くとしたらどんなのがいいかな、と悩んだものでして(笑)なるほど・・・・・・私も五年生が好きなので五年生中心になっちゃうんですよね・・・!!貴重なご意見ありがとうございました・・・っ(感動)本当にいつもありがとうございます! (2019年2月11日 21時) (レス) id: 50e857828e (このIDを非表示/違反報告)
ティコ(プロフ) - 新作...!私的には三郎が一番好きなので5年生が中心とか、三郎落ちとかだと嬉しいんですが...また同じだとちょっとあれですよね、天女系とか、先輩後輩系とかたくさんありますよね...でも、どのお話でも天然水豆腐さんのお話が好きなのでめっちゃ読むと思いますww (2019年2月11日 21時) (レス) id: e878cfb355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天然水豆腐 | 作成日時:2018年11月26日 20時