【四十二】 歓迎会 ページ42
『えっ、えっ!?』
やっと喋れるようになった時、この状況が分かった。
歓迎・・・・・・会?
看板らしきものにそう書いてあった。
私の子と歓迎していない人も多かったのでは?
それなのにどうして。
「私は反対はしたんだが、学園長先生がなかなか食い下がらなくて・・・・・・そうならいっそ歓迎しようって誰かが言い出してさ」
「三郎はこう言ってるけど本当は」
「うるさい勘右衛門!そう言うお前だって・・・・・・!」
『だから尾浜君は途中からいなくなったんですか?』
「準備頑張ったからね」
昨日はなにも無かった食堂が一面カラフルになっている。
三郎さんよりも少し身長の高い人や低い子も、女の子までいる。
『ありがとう、ございます・・・・・・っ!!』
三郎さんにお見合いしていただくために一応ここへ来たのだけど、
良かった。
此処へ来て。
「歓迎会しようって言ったのは伊作先輩なんですよ〜」
乱太郎君がニコニコ笑いながらそう言うと伊作君は驚いて乱太郎君の口を押えた。
「ちょ、ちょっと乱太郎ぅうう。それは言わないでって言ったじゃないかぁ」
「あ・・・・・・」
『あ、茶髪のイケメェ…伊作君!』
お世話になった上にそこまで計画してくださったとは。
有り難い。
「Aさん医務室にずっといたから準備しやすかったけどな」
「遅くなっちゃったけどねぇ」
「本当、まさか庇って怪我するなんて・・・・・・うん!??!」
不破君が目を見開いた。
「な、なんで泣いてるの・・・・・・」
その言葉にみんなの視線は私に集まった。
確かに目元が熱くなりましたけど泣いてるなんて・・・・・・。
『ま、まさか歓迎されるなんて思わなくて・・・・・・今までこんなに沢山に笑顔で迎えてくれるなんて・・・・・・なかったですから。嬉しくて・・・・・・』
歓迎してない人が居るのも知っているけど、それでも一人でも歓迎してくださる人が居るのなら私は嬉しい。
「泣くなって・・・・・・」
三郎さんが優しく背中を摩ってくれた。
吃驚しすぎて心臓と目が同時に飛び出るかと思った。
「いらっしゃい」
右を見れば食堂のおばちゃんが笑ってご飯を差し出してくれた。
話しかけられたのは初めてだった。
『ありがとうございます・・・・・・これからよろしくお願いします!』
やっと挨拶ができて良かった。
60人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「忍たま」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ティコ(プロフ) - 天然水豆腐さん» 私も、天然水豆腐さんの作品も、天然水豆腐さんもすごく大好きですよ!これからも頑張ってください!応援してます! (2019年2月17日 12時) (レス) id: e878cfb355 (このIDを非表示/違反報告)
天然水豆腐(プロフ) - ティコさん» 軽くどころかコメント頂くたびにはしゃいでいる人間なのでコメントをくださった方は私にとって神様のような存在です、大好きです!笑ティコさん、こちらこそ嬉しいです!頑張りますね!! (2019年2月17日 12時) (レス) id: 50e857828e (このIDを非表示/違反報告)
ティコ(プロフ) - 天然水豆腐さん» いつもってことは軽く認知されてるのかなってすごく嬉しくなりました!大変だと思いますが頑張ってください! (2019年2月12日 0時) (レス) id: e878cfb355 (このIDを非表示/違反報告)
天然水豆腐(プロフ) - ティコさん» ちょっと新作を書くとしたらどんなのがいいかな、と悩んだものでして(笑)なるほど・・・・・・私も五年生が好きなので五年生中心になっちゃうんですよね・・・!!貴重なご意見ありがとうございました・・・っ(感動)本当にいつもありがとうございます! (2019年2月11日 21時) (レス) id: 50e857828e (このIDを非表示/違反報告)
ティコ(プロフ) - 新作...!私的には三郎が一番好きなので5年生が中心とか、三郎落ちとかだと嬉しいんですが...また同じだとちょっとあれですよね、天女系とか、先輩後輩系とかたくさんありますよね...でも、どのお話でも天然水豆腐さんのお話が好きなのでめっちゃ読むと思いますww (2019年2月11日 21時) (レス) id: e878cfb355 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:天然水豆腐 | 作成日時:2018年11月26日 20時