お見合い相手がやって来た【忍たま】

【三十五】　退院 ページ35

あれから数日経った。
なんとも暇だった。

動いてはいけない、彗ちゃんと三郎さん達は来てくれていたけれどそれは授業中意外。授業中の時は誰もいなくて･･････。

あっ、医務室のおじさんがいてくれたんでした。
あの時茶髪のイケメェンさんが呼んできたおじさん。
なんか痛み止めだってくそ苦い薬飲まされましたね。ありがとうございました。

しかし！
そんな暇な私に不似合いな日々は終わり、体も動かせるようになった！
今日はまるで退院するかのような晴れ晴れしい気分で医務室の出口に立っていた。
尾浜君と不破君が来てくれていた。
どうやら他の子達は用事があったらしい。


『茶髪のイケメェンさんも、おじさんもお世話になりました！』

「茶髪のイケメェンさん･･････」
「お、おじさん」

深くお辞儀をした。
茶髪のイケメェンさんは苦笑いで、おじさんは「慣れないなぁ」と言っていた。


「新野、とでも呼んでください」
にっこり微笑んでくださったので、

『じゃあ新野。ありがとうございました！』
「あ、いや、そうではなく･･････」


私の後ろに居た尾浜君と不破君が吹き出していた。
背中に直撃した。


「あっ！Aさん！ぼ、僕のことは･･････伊作って呼んでください！！」

自分に指さし慌てながら言っていた為かなにも無いところでこけていた。
少し前にお話をしていて知ったのだけど彼は不運らしい。

『茶髪のイケメェンさんは伊作君っていうんですね。初めて知りました』
「え、ずっと前に自己紹介はしたんですけど」

顔を引きつらせていた茶髪･･････伊作君。
おぉ、なんと仲良くなってしまいました！！

伊作君に手を貸し、なんとなく笑ってみた。




「Aさんー！三郎も一応心配してたんだよ。早く行こう！」

私の手を取った尾浜君。
ニコニコ笑う不破君。


『よーしっ！夫に会いに行きましょー！それでは、伊作君！新野！』
「いや、ですから」


新野先生の言葉も聞かず走り出したA達。
伊作は少しだけ複雑そうな顔をしていたらしい。

　

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