【三十二】 目覚めたら ページ32
ゆっくりと目を開けるとほんのりと明るい灯が見えた。
まだ夜だということが分かる。
(三郎さんの部屋・・・・・・じゃないみたい)
匂いというか雰囲気というか。
まだ天井しか見えていないのに。
むくっと上半身を起こす。
「あ、Aさん」
机に向かっていた顔をこちらに向け微笑んでいたのは彗ちゃんだった。
つまり此処は彗ちゃんの部屋か。
筆で何かを書いていたようだ。
『私どうして此処に居るんですかね』
記憶が三郎さんの部屋に居たまでしかない。
「三郎の部屋で寝てしまったらしいですね。不破に報告を受けて部屋まで行ってみたらAさんを送って行ってって頼まれまして。忍たまはくノ一長屋には入れませんからね」
『あぁ・・・・・・そうでした・・・・・・』
早起きしてしまって、眠くなってそのまま。
『ん、彗ちゃん一体何してたんです?もう夜も遅いのに』
「えへへ、Aさんに教えていただいた南蛮語を書き写しておこうと思いまして」
本当に南蛮語に興味を持ったみたい。
『寝不足は良くないですし、もう寝ましょうよ。って私が言えることじゃないのですがね』
「・・・・・・ホント、Aさんは言えませんよ。私徹夜するのはいつものことなんです」
『夜、怖くないですか?』
「えっ、まぁ・・・・・・一応平気ですよ」
尊敬する。
私は夜とか暗いところが苦手で寝て朝を待つ日が多いのだけど。
あぁ寝不足な人間が言うことじゃないですね。
「幽霊とか苦手だったりします?」
『いえ、幽霊とは友情を育める人間ですので』
「はい?」
頭にはてなマークを浮かべる。
おっとこれは私の妄想ストーリーでした。
『お暇しますのでそろそろお休みになってください。体壊しちゃいますよ!』
「そうですね・・・・・・今日はもう寝ます」
私さっきお姉さんらしくなかったですか?
満足、満足。
立ち上がるといきなり地面が揺れた。
私は尻餅をつく。
『いでっ、・・・・・・地震ですか・・・・・・?』
「そうみたいです・・・・・・っ」
彗ちゃんは私の手を取り机の下に放り投げた。
け、結構乱暴・・・・・・。
でもどうやらそれは安全を考えてのことだったそうで。
でも、
私の方が年上なのに。
揺れは治まったもののまだ不安だ。
そっと机の下から顔を出す。
それは正解だった。
彗ちゃんの後ろの箪笥がよろけていた。
『彗ちゃっ―――――――――、』
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ティコ(プロフ) - 天然水豆腐さん» 私も、天然水豆腐さんの作品も、天然水豆腐さんもすごく大好きですよ!これからも頑張ってください!応援してます! (2019年2月17日 12時) (レス) id: e878cfb355 (このIDを非表示/違反報告)
天然水豆腐(プロフ) - ティコさん» 軽くどころかコメント頂くたびにはしゃいでいる人間なのでコメントをくださった方は私にとって神様のような存在です、大好きです!笑ティコさん、こちらこそ嬉しいです!頑張りますね!! (2019年2月17日 12時) (レス) id: 50e857828e (このIDを非表示/違反報告)
ティコ(プロフ) - 天然水豆腐さん» いつもってことは軽く認知されてるのかなってすごく嬉しくなりました!大変だと思いますが頑張ってください! (2019年2月12日 0時) (レス) id: e878cfb355 (このIDを非表示/違反報告)
天然水豆腐(プロフ) - ティコさん» ちょっと新作を書くとしたらどんなのがいいかな、と悩んだものでして(笑)なるほど・・・・・・私も五年生が好きなので五年生中心になっちゃうんですよね・・・!!貴重なご意見ありがとうございました・・・っ(感動)本当にいつもありがとうございます! (2019年2月11日 21時) (レス) id: 50e857828e (このIDを非表示/違反報告)
ティコ(プロフ) - 新作...!私的には三郎が一番好きなので5年生が中心とか、三郎落ちとかだと嬉しいんですが...また同じだとちょっとあれですよね、天女系とか、先輩後輩系とかたくさんありますよね...でも、どのお話でも天然水豆腐さんのお話が好きなのでめっちゃ読むと思いますww (2019年2月11日 21時) (レス) id: e878cfb355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天然水豆腐 | 作成日時:2018年11月26日 20時