お見合い相手がやって来た【忍たま】

【二十七】　幽霊成仏なり ページ27

涼しいぐらいの、丁度良い気温。
すずむしの声が聞こえるぐらいの静けさ。

とても好き。

薄暗くなったところで部屋を出た。
間違えて彗ちゃんの部屋の襖に手を掛けてしまうところだったけれど。

今日は用事がある･･････んだっけ？

だから三郎さんのところへ行こうって思ってたんだ。
否定もなにもしなかったし無言だったから「いいよ」ってことに
違いないはず。



･･････行きたいんだけど真っ暗で何も見えない。
ついでに言いますと怖いです。

幽霊出てきたらどうしよう。
とりあえず腕を掴んで振り回して顔面強打させておこう。

鼻血が出てしまったならば私のちり紙をあげよう。
そして仲良くなって友情物語が始まるのだ。

そしてそれは恋、へと変わっていき二人は結ばれる――――と、
思われていたがここでライバル登場。

三郎さんが乱入するのだ。

喧嘩あり、涙あり、笑いあり、決闘あり。
そして三角関係が次第に崩れ解けゆくようにハッピーエンドへ。


勿論、結ばれるのは私と三郎さん。
むふふ、完璧なシナリオ。

幽霊さんは恋、というものが知れて成仏してしまう。
そして私は「君は良い友だった」そう言い放って三郎さんと
手を繋ぐ。

そして未来へと向かって歩んでゆく、二人で―――――――。





『･･････うぅっ･･････怖いよ･･････』

全然紛らわしになりませんでした。
恋と三郎さんと私ってストーリー。


駄目だ、部屋からは離れちゃったし三郎さんの部屋暗くて
何処か分からない。

誰か･･････。


そう思っていると人影が見えた。

『･･････幽霊？』

一気に怖くなり顔が青くなる。
動けない、早く向こうに行かなきゃ･･････。





「おい」
『ぎゃぁあああああああああああああああああああ』

幽霊が、喋ったぁああああああああああ。
肩触られたぁああああああああああああ。


　

【二十八】　幽霊案内→←【二十六】　竹谷君

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す