龍宝伝〜記憶が繋ぐ運命の恋〜

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陽熙 side

陽熙『「家族の宴」…。沢剣(たくけん)、お前はどう考える？』

沢剣「無礼を承知で申し上げます。恐らく、皇太子様や他の皇族方の妃選びが裏にあると思われます。」

陽熙『やはりな…。父上に嫁いだ母上の実家を始め、側室の実家も呼び寄せるとはそれくらいしか無いだろうな。』

沢剣「しかし、皇太子様は他の皇子方や皇族方とは立場が違います。皇太子様は明華帝国を継がれるお方です。ましてや、その妃選びともなれば当然責任は重大ですし、妃選びを間違えれば後世に伝えられてしまうのですよ。そろそろ覚悟をお決めになられてはいかがですか？」

陽熙『もちろんだ。しかし、私の妻ともなれば当然自分が好きになった相手を選びたいと思うだろう。もしかしたらこの妃選びは失敗に終わってしまうかもな。』

沢剣「もしお気に召さないようであれば、側室に迎えることも出来ますのでご検討されてもいいのかと。」

陽熙『そうだな。正室は家柄や血筋が重要視されるが、側室はそのどちらか一方でも良い。深く考えずに、今日の宴を楽しもうか、沢剣。』


─皇城・極懿殿(きょくいでん)*
*皇族の宴や式を挙行する宮殿

蘇環(そかん)：光徳帝の侍従「皇帝陛下の御成」

皇族、親戚方「「ご機嫌麗しゅう、皇帝陛下」」

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