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A『母上、この簪は・・・』

劉氏「あなたが腹の中にいた時に、お祖母様から頂いたものよ。懐妊祝いという事だったけども、恐らく内心は生まれてきた子に渡すために頂いたようなものよ。宴では、その簪を付けて参加なさい。但し、それ以外に飾りを付けてはダメよ。何故か分かる?」

A『皇后様の実家ということで、幅を利かせていたり傲慢だと思われないためです。』

劉氏「そうよ。さすがだわ。あなたを産むことができて本当に良かったわ。あとで侍女に着物を届けるから、どれか好きなのを選びなさい。あなたの侍女の分も用意してあるから、侍女にも選ばせることよ。」

A『ありがとうございます、母上。』

劉氏「もうそろそろ夕餉の時刻だから、一緒に蓮水の間へ行きましょうか。」



ー蓮水の間;孫家が食事を取る場所。孫府の宴でも使用される。

堅義(けんぎ)「よく集まってくれた。数ヶ月後に宮中で開かれる宴に、我が孫家もご招待を賜った。そこで、孫家の息子、娘として恥のない振る舞いが求められる。また無駄に着飾ることは、皇族方への不敬にも当たる故、気を付けるように。」


堅義「A、そろそろ婚約について考えなくてはいけない年だが、懇意にしている者はいないのか?」

A『父上。今の私にはそのような特別な方はおりませんが、ご縁がございましたらと思います。ですが、今はまだ父上と母上のそばにいたいので、婚姻はまたの機会にしてください。』

堅義「親孝行な娘になったな。Aがそう申すなら、無理に縁談を組ませることはせん。だが、その時が来れば縁談を組むぞ。分かったな?」

A『ありがたく存じます。』


私には、実姉である皇后の他に、側室生まれの姉が二人いる。

あとは実兄である恒永(こうえい)と弟の恒熔(こうよう)、側室生まれの兄が二人と弟が一人いる。

兄も弟も孫家に誇りを持っていて、いつか御前自衛に就きたいと願っているほど。

側室生まれの兄弟は御前自衛でなくても、孫家を継いでいくと考えているからどの道を選ぶにせよ、当然ながら日頃の行いを気を付けなければならない。

もちろん、私も私の側で仕えてくれている侍女たちも・・・。

令嬢として周囲から未来は明るいだの、華やかだと思われているけど、実際は常に襟を正して間違いがあってはならない掟で縛られているだけに過ぎない。それも一生・・・。

第2話; 家族の宴→←第1話; 孫家の令嬢



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tia(プロフ) - 黄色ジャス民さん» コメントありがとうございます!そうですよね…。意地悪な側室って、見ていて嫌な気持ちになりますよね…。 (11月29日 23時) (レス) id: 4070d795a3 (このIDを非表示/違反報告)
黄色ジャス民(プロフ) - 早く続きが読みたいです。意地悪な側室はいりません。正室のみを希望します。 (11月25日 18時) (レス) @page15 id: 8ff4fc4814 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:tia | 作成日時:2022年3月11日 18時

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