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第1話; 孫家の令嬢 ページ5

A side


清蘭(姉上)が今上陛下に嫁いで、十数年が経った。

姉上が嫁いでからは、しばらく侍女の恵児(けいじ)にも口を聞かなかったくらいに、とても寂しかったを覚えているわ。


恵児「お嬢様、失礼いたします。花草茶*をお持ちしましたので、お召し上がりください。」

A『ありがとう、恵児。少し考え事をしていて疲れていたから、助かるわ。』

*ハーブティーの中国語。


A『もうそろそろで、姉上が陛下に嫁いでから十数年が経つわね。姉上は元気にしているかしら。』

恵児「きっと、皇后様ならお元気ですよ。今年は数年に一度、皇族に嫁がれたお妃方のご家族を宮中にお招きして、久しぶりの家族団欒を過ごす宴が開催される年です。これを機に、皇后様へご挨拶されてはいかがでしょうか。きっと皇后様もお喜びになられるかと。」

A『そうね。そういえば、そのような宴が開かれる年だったわね。久々に姉上にお会いしに行きましょう。』


侍女「お嬢様。奥様がお呼びです。桜緑閣へお越しくださいませ。」

恵児「奥様が?一体何の御用でしょうか・・・。」

A『身構える事ないわ。ひとまず行きましょうか。』



桜緑閣(おうりょくかく);第一夫人劉氏の部屋。


侍女「奥様。お嬢様がお越しです。」

劉氏「通しなさい。」


A『母上にご挨拶いたします。』

劉氏「立ちなさい。恵児からも聞いているとは思うけど、もうすぐ宮中における宴が開かれるわ。あなたはまだ13歳だけれど、実姉である皇后も、側室の姉たちもあなたくらいの年で婚約が決まっていたわ。宴では、皇后の実家という肩書だけでなく、孫府嫡出の娘として振る舞いなさい。分かったわね?」

A『はい。孫府の娘として恥のないよう、尽くします。』

劉氏「恵児。あなたはAをきちんと補佐しなさい。」

恵児「承知いたしました、奥様。お任せください。」

劉氏「A、こちらに来なさい。あなたには、この簪をあげるわ。」

▽→←epilogue;龍と太陽が重なる日



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tia(プロフ) - 黄色ジャス民さん» コメントありがとうございます!そうですよね…。意地悪な側室って、見ていて嫌な気持ちになりますよね…。 (11月29日 23時) (レス) id: 4070d795a3 (このIDを非表示/違反報告)
黄色ジャス民(プロフ) - 早く続きが読みたいです。意地悪な側室はいりません。正室のみを希望します。 (11月25日 18時) (レス) @page15 id: 8ff4fc4814 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:tia | 作成日時:2022年3月11日 18時

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