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りょう俺も楽しかったよ。ありがとう。
朝、家を出る前にふと携帯を見ると、返事が返ってきていた。
いい朝だなぁ、なんて思ったり。
「で、どうだったの?」
「りょうくんの私服ほんとにかっこよかった!」
「良かったねぇ」
ほら、言ってみて良かったでしよ、と友達が笑う。
「ねぇ、そういえばさぁ」
「んー?」
「あの話、聞いた?」
「何の?」
「福尾くん、また告白されたんだって」
「また?モテるねぇ」
「しかも今回は理系のあの子だって噂」
「こんなことざらにあったし、大丈夫でしょ」
「ほんっとに呑気ねぇ、あんた…」
り「Aいるー?」
「ほら、彼氏がよんでるよ」
「あれ、休み時間に来るの珍しい」
「どうしたの、りょうくん」
り「あー、あのさ」
り「ちょっと、距離置かん?」
りょうくんの声がまるで夢のように響いて、何を言ったのか、何が起きたのか、何も分からなかった。
「き、ょりを」
り「うん。突然でほんとごめん」
「なんで、って聞いたら?」
り「……今は言えない、かな」
「……知らない、勝手にすれば」
り「……ごめんね」
後々になってりょうくんが突然言った理由が分かった。
分かった、というよりかは、分からされた、の方が正しい。
りょうくんとあの子___すなわち、最近りょうくんに告白した子___が2人で歩いている所を見かけた。
あぁ、あの子なんだ。
私よりも可愛くて、愛嬌があって、何より、
「2人、お似合いだぁ」
「元気、出しなよ」
「無理だよ。そんなの」
「あれは福尾くんが悪いよ。急に他の子と付き合ったりなんかして。そんなの浮気と一緒じゃん」
「いいよ、そんなの」
「いいって…」
「ちょっとの間でもりょうくんと付き合えたのが奇跡みたいなもんじゃん」
「……そう、あんたがそう思ってるならそれでいいけど、さ」
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作者名:おまめ | 作成日時:2023年4月3日 2時