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｢う、緊張する……｣
本日、休日デート当日。
先にカフェに着いた私は、これ以上にないほど緊張していた。
り｢お待たせ。ごめんね、待った？｣
｢ぜん、ぜん待ってないです｣
り｢なんで敬語？｣
まるでドラマの中の俳優さんみたいに現れたりょうくんは、いつもの何倍もかっこよく見えた。
り｢先に頼んでくれても良かったのに｣
｢一緒、が良かったから｣
り｢……何それ、ばか可愛いやん｣
思わずりょうくんの方を見ると、顔を赤く染めてそっぽを向いている。
り｢あんま見んで。ばか恥ずい｣
｢珍しいね｣
り｢可愛すぎるAのせい｣
｢何にしよう…｣
り｢これ、美味そう｣
｢りんごのタルト？｣
り｢そー、美味そうじゃない？｣
｢じゃあ私はいちごのタルトにしよう｣
すいませーん、と店員さんを呼び、出来上がるのを待つ。
｢りょうくん、私服かっこいいねぇ｣
り｢そう？シンプルなやつばっかだよ｣
｢じゃありょうくんがかっこいいからだね｣
り｢ふふ、ありがとう｣
2人で他愛もない話をしていると、タルトが運ばれてきた。
｢いただきます｣
り｢いただきます｣
甘酸っぱいいちごと甘すぎないカスタードが美味しい。
こんなに美味しいタルト、初めてかも。
｢美味しい…｣
り｢うん、美味しい｣
｢りょうくんこんな場所、よく知ってたね｣
り｢前来たことあるんだ、ここ｣
｢ほー｣
元カノさんと来たのかなぁ、なんてことは口に出来なかった。
でも今付き合ってるのは私だもんね、と気持ちを持ち直す。
｢今日、ありがとう｣
り｢いーよ、俺もAと出かけたかったもん｣
｢また行きたいねぇ｣
り｢うん、行こう｣
今日という日は、多分、きっと、忘れられないような日になるんだろうなぁ。
そんなことをぽんやりと思いながら、自分の家へと帰る。
A今日はありがとう!楽しかったです。また行こうね!
りょうくんにメッセージを送り、そのままベットへと潜る。
りょうくんと話したこと、食べたタルトのことを思い出しながら噛み締めているうちに、いつの間にか眠りに落ちていた。
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作者名：おまめ | 作成日時：2023年4月3日 2時
