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りょうくんの言葉の本意が掴めないまま、時間だけが過ぎた。
だけど、一つだけ。
一つだけ、分かったことがある。
多分、私はりょうくんを諦められないんだと思う。

諦めなくちゃ、とは幾度となく考えたし、忘れようと思って大学の友達に合コンのセッティングを頼んだりもした。

岡崎から帰って数ヶ月。
思いは強くなるばかりだった。

て「A?」
「え、」
て「何かぼーっとしとるけど、大丈夫?」
「ん、大丈夫。ちょっと疲れてんのかなぁ」
て「……東海オンエアの件、もうちょっと後にしようか?」
「んーん、いい。やるなら早めがいいし、ね」
て「そっか」

て「じゃー、そろそろ切るわ。無理せんでよ」
「うん、ありがと」

さて、やることはまだまだある。
いつの間にかりょうくんのことも頭から離れ、レポートを書き始めた。



「…ほんと?それ」
て「ホントだってば」
「嘘だぁ」
て「ホントなんだってば!」
「…だって、彼女いるじゃん」
て「、あれは」
「ほら、答えられんでしょ」
て「りょうに聞いてみん、ほんとだげ」
「慰め、いらんよ」




ある日、Aが岡崎に来た日。
思わず、言ってしまった。

て「りょうさぁ、Aのこと好きなんだよ、まだ」

当の本人は全く信じなかった。
それもそうだ、あいつには彼女がいるんだから。
でも、すれ違う2人をそのままにしておけるほど冷静な俺でも無いわけで。

て「はよ、りょうに聞いてみりん」
「やだよ、傷つきたくないもん」
て「だからぁ、」
り「なんの話ししとん?」

あ、しまった。
今日は全員の撮影日だった。

「え、いや、別に、」
て「りょうさぁ、」
「やめてよ、てつや!」

Aがバン、と机を叩いて、立ち上がった。
その目には、涙が浮かんでいる。

て「A、」
「帰る、ごめん」
り「A?」
「ごめん、名前、呼ばんで。りょうくん」

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設定タグ:東海オンエア , りょう   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:おまめ | 作成日時:2023年4月3日 2時

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