0214事情�� ページ7
今日は俗に言うバレンタインデートやらで、教室はその話題で盛り上がっていた。友チョコや義理チョコなどなど。
が、私はその話題には乗らず、甘いものは持ち合わせていなかった。今日は防衛任務が入っており、その時間などの確認をしようとスマホを操作する。
三時からの防衛任務の為、五時限目が終わり次第すぐ早退することになる。途端、私の席の前に誰かが立った。顔を見上げると、クラスの女子数名がいた。何故？
「えーと、何か用？」
普段から私は浮いた存在で、女子達と関わり合いが少ない。でもまぁ、今日のことを考えると少しわかる気もする。
「Aちゃんって、さ。ボーダー隊員だった、よね？それでおねがいがあるんだよねー」
何が、「ボーダー隊員だったよね？」だ。早退もするし遠征で連続欠席、おまけにA級部隊所属だよ、と心の中で毒吐いた。が、表には出さない。
「……チョコ、渡して欲しいの？」
その私の一言で、机の上が紙袋だらけとなる。「嵐山さんに！」「時枝君に！」「烏丸君に！」と、多くは嵐山さんなのだが中には自分で渡せるもの達の名前も上がる。と言うか、人が増えている。
「多いな」と、人がはけた後穂刈達が近寄って来る。カゲと綱、穂刈と同じクラスである。
「全部私宛じゃないけどね」
優に100を超えるチョコの宛先を仕分けする最中、あーと声を唸らせ「ダンボールを取りに行く」と、言って教室を出る。
チョコ達は、ダンボール二箱分となり、教室の隅に置かせてもらっていた。五時限目が終了した為、それらを抱える。量が量なので、それなりに重い。そんなことには女子達は目もくれない。
村上「それ、大丈夫か？」
「うん、大丈夫。じゃあ先生に言っといてね」
そう言い残したと同時に当真がやって来て、私を見て「人気者じゃん」と揶揄う。ムッとして、「一つ持て」と無理矢理押し付ける。
当真「おれ、嵐山さん宛？」
「そう」
当真「A、俺に渡すものは？」
「あるわけない」
当真「だよなー」
カラカラと、当真は笑った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 20人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：三毛猫
作成日時：2018年1月4日 23時
