不登校ちゃんと闇深優等生ちゃん「オリジナル」 (ページ6)

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私は、雪ちゃんを保健室まで送りとどけて、一人、窓を見て、そっと、笑顔の張り付いた仮面を外してみる。

窓に自分の顔が映り反射する。

「はは…私って、不細工…っ」

そういって自然に笑顔を作ろうとするとなぜか涙が出てきそうになる。

私は私が嫌いだ。

ご飯もあって寝れるところも安全な家もあるのに、お母さんにだって虐待されてるわけでもないのに。

自然に笑えない、喜びとうれしさがわからない私が嫌いだ。

つらいと苦しいは立派にわかってしまう自分が嫌いだ。

「瑠璃ちゃん？」

声をかけられると、私は外したはずの、やっとのことで外した仮面をすぐにつけて目線をあげる。

「あっ、渚先輩っ！」

渚先輩は私のは言っている吹奏楽部の先輩で、少し長めのショートカットで楽器が上手。

もちろん、女の先輩で、まだ、もちろん怖いけど。

「こんなところでどうしたの？体調悪い？」

私は、保健室の前から一歩も動いていなかったことに気が付く。

「大丈夫ですっ！友達を送り届けただけで…渚先輩は？」

「私は通りかかっただけ。邪魔してごめんね～じゃあ、また部活でねっ！」

そういうと先輩は、近くにあった階段を駆け上がっていった。

「はーい！」

そういって渚先輩が見えなくなると自然に上げていた手がさっと私の横にブランと戻る。

笑顔の仮面は、接着剤が乾ききってしまったようで、自然にぽとっと落ちた。

普段は、自分が今どんな顔をしているのか把握するようにしている。

そうすれば、顔を間違うこともないし、私すらも騙せる笑顔ならみんなだって騙せるはずで、

でも‥仮面が外れた時は、どんな顔をしていいのかわからない。

どんな顔かわからない。

そんな私が自分でも怖くて、こわくて、

急いで接着剤になる自分の張っている気持ちを仮面に塗りたくって貼り付ける。

「瑠璃ちゃん、待たせてごめんね。ちょっと横になったらよくなったから。教室もどろっか。」

そうやって、雪ちゃんがきたときには、しっかりと仮面を貼りつけた後だった。

「全然！もう体調大丈夫？」

私なのに、全然違う私だ。

あーあ、私が大嫌いだ。