不登校ちゃんと闇深優等生ちゃん「オリジナル」 (ページ21)

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雪ちゃんの家は数週間前まではアパートだったけれどおばあちゃんの家の隣に一軒家が新たに立ち、そこが雪ちゃんの今の家だ。

大きい。

私はそう思いながら、外で、待っていた雪ちゃんに手を振る。

さやのちゃんは私と同じように手を振りながら、車のドアを開け、雪ちゃんを入れる。

「さやのちゃん、久しぶり、」

そういった、少し恥ずかしそうな雪ちゃんにしゃべりかけるさやのちゃん。

「うん、久しぶり。」

雪ちゃんの家から１０分ほど車を走らせた先がカラオケだった。

私は、いつもの店と違うカラオケの空気感を全体で感じながら、みんなについていく。

案内された部屋は少し大きめだったけれど、個室であり小さく大きな設置された画面が光っていた。

渡されたコップの中にドリンクをつぎに行く。

雪ちゃんはコップの中に氷を入れてサイダーを入れた。

さやのちゃんも氷を入れて、果物のジュースを入れていた。

私は氷を入れずにオレンジジュースにした。

「瑠璃ちゃん、氷いらない？」

さやのちゃんがそういう。

「私、氷で薄くなるのが苦手でさ、」

そういうと、私に渡そうとしていた氷のとりわけトングを静かにさやのちゃんはしまった。

「じゃ、いこーか！」

雪ちゃんのその声で部屋に戻る。

さやのちゃんのおばあちゃんは私たちが帰ってきたのを確認すると、自分のカバンを持って立ち上がった。

「じゃあ、ちょっと席外すけど大丈夫よね、さやの。」

「うんっ！」

そう言って、さやのちゃんのおばあちゃんがドアを閉めたのを確認して、タブレットを取る。

「よっしゃ、歌いまくるぞー！！」

そういった、さやのちゃんは、流行っていた歌や私たちが好きな共通の曲をどんどん入れていった。

「え、これ歌うのっ？」

ちょっと大人向けの曲を互いに入れあっては格好つけてすこし恥ずかし気に歌った。

「ほら、三人でうたお！」

二つしかないマイクをぐるぐると回しながら流行りの三人で歌うユニット曲をコールを互いに入れ、セリフでは言っていない二人が「かわいいー！」「ファンサだー！」と言いながら騒いだ。

私たちの趣味は親と分かり合えるものではないからこそ、分かり合える友達と騒いでノリノリで歌うのが楽しかった。

二時間の夢の時間が終わるころには外には夕焼けが広がり私たちは喉が痛くなっていたほどで

車で家まで送ってもらい、お礼を言って家に帰り、部屋のベッドに寝ころぶと楽しい思い出が鮮明で鮮やかに思い出されてすぐ寝落ちた。