もし他人だったらこの一線は越えられたのだろうか3

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ようやく仕事が終わり家に帰る





玄関を開けると女性の靴





お？もしかしてAが来たのか？





直接、あの誤解を解きに来たのだろう





わざわざ来るか普通



面倒くせぇ…




だけど少し嬉しい




リビングを開けるとその向こうにはAではなく志希が居た





「あ、あれ？！」




「あ、稜雅君お帰りなさい！」




「あら稜雅、おかえり〜」




台所には母親の姿




「た、だいま？な…んで？」






目を大きくしマスクをゆっくり外しながら志希に近付く




「あのね、生姜焼き作ってきたの！」





あー、この前作ってくるとかなんかいってたような…




本当に作ってきたのか




「あぁ…そ…うなんだ、ありがとう」






「ほら上手くできた！」




タッパーのフタを開けて稜雅にみせる





「おお！美味しそう！」




今とても腹が減ってるからか凄く至って普通の見た目なのだがとても美味しそうに見える




「食べて食べて！」


　



「ちょっと待って、手洗ってから」





荷物を置いて手洗いし、ダイニングテーブルに着く





「いただきます…うん、うまい！」






「良かったー！」




パクパクと食べていると
インターホンが鳴った



こんな時間に誰だろう






そのまま食べるのを続けてると

手離せないから出てと母が言う








鍵を開けドアを押し出すとAがいた






「えっ！どしたの！」






『渡したいものがあって…』






「渡したいもの？」






『えっとこれなんだけ…』






「あ〜Aさん！こんばんは〜！」





志希がリビングから出てきて稜雅の隣に立つ





『あ…志希ちゃん？どうしてここに？』






「あっ！稜雅君が生姜焼き食べたいって言うので家で作ってきたのを持ってきたんです！」






「その言い方だと俺が作らせたみたいになってんだけど…
作ってとは言ってない！何が好きと聞かれたから生姜焼きと言っただけだぞ！勝手に瀬川が作ってきたんだからな！？」



「何それひどーい！さっきはすごいうまいうまいって言ってたのに！あ！Aさんも食べます？！」





『え？、あ、そうなんだ！すごく、食べてみたかったけど、用事思い出したから帰らなきゃ…』






様子がおかしい






『じゃっ』






「おい、渡したいものとかあるとかなんとかってのは…」






『渡したいものあってけど家に忘れたから今度ね』




そう言ってすぐにドアから離れる

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