もし他人だったらこの一線は越えられたのだろうか２

悪酔い1ｰｰ▼ ページ3

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蝉の声が静まり、涼しい風が吹く夏の夜




遅くまで撮影をし家に帰ろうかと思ったが次の日オフなので従兄弟の家に訪れる事にした




寄ってみるといつもなら電気が付いている時間帯なのに付いていない




って事は帰ってないのか…




鍵も閉まっていてこのまま待つのも面倒だから帰ろうかと思っていた瞬間



不規則のヒールの音が徐々に大きくなっていく




ん？




暗い中から出てきたのは疲れ果てたAだった



「お疲れ様」



『ん？ふぁ、来てたんだ…』



眠そうな顔に、おぼつかない足




もしかして…




口元に顔を近付ける



完全にこれは酒の匂いだ



「あ〜もう、飲んだでしょ〜」




『飲んでらいよ』



「口回ってないしそんな嘘つかなくていいし

ほら、鍵は？」



『ん〜……』



眠たそうな目を擦りながらバックの中をゴソゴソしている



『ないなー、どこだろうかなー、あれれ』



あーもうどんだけ飲んだの…



「ほら貸してみ？」



すぐさま鍵を見つけ開けた



「ほら開いたよ」




『ん〜ふふふありがとう〜』



肩を貸しながらヨロヨロと歩き部屋に入るが自分の置いてある靴を踏んでバランスを崩し倒れ込む



ちょっと待ってよ……なんで巻き込まれなきゃいかんのだ…




「もう飲み過ぎ〜！」




アクビをしたと思ったらいきなりスーツを脱ぎYシャツのボタンを外しだした



「え、ちょっと…」




『暑い…』



Yシャツの第三まで開けそのまま稜雅の身体に覆いかぶさる



ここから見るとAの下着がモロ見え



！？！？



「あのーAさーん、みえてますよー？」



一気に恥ずかしくなり小声になる



『何？聞こえない』



「いや、えっとだから、下着…、が見えて…」



『見せてるの』



何を言ってるんだこいつは！


自ら見せにいってるのか！？




「そんなことされたら襲っちゃいますよー」




冗談のつもりで言ってみた




すると表情が変わり顔を近づけて何かを待っているかのようにAは目を瞑る





…え？




………え？？？





これ…は、しろってこと？




一気に変な気分になる



稜雅はゆっくりと唇を近づける




唇まであと10センチ……



あと数ミリ……



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