アネさんのお悩み相談室 ページ24
「おはようございます、お嬢。交渉場は十氏に頼んで部屋を一つ用意させました。移動しますが、ご気分は?『構わない。行くぞ」
零雲に一声かけて、部屋を出る。悩みもあれば、迷いもある。でも今は仕事の時間。
私のモットーはギブアンドテイク。
借りたものはその分きっちり返す。その代わりに、相手からもあげただけもらいまくる。だから、借りを作れるだけ作ろう。さぁ、ここからは、私のショータイムだ。
姉鷺side
昨日の今日だから、3人、特に楽のメンタルが大丈夫か、確認したけど、心配なさそうね。
詳しくは聞いてないけど、目標に向かって本気で挑む最高の顔になっていたから。スポンサーへのあいさつをひととおり終えて、一息つく。次は・・・なかなか面白い企画ね。指定された場所で待っていると、
『失礼する。あぁ。姉鷺さんか。昨日の3人に礼を頼む』
辺りの空気が澄みきって冷える。錯覚だけど、気づけば鳥肌をさすっていた。
「お久しぶりでございます、Aお嬢様。昨日のウチのもののライブ、楽しんでいただけたようで、何よりですわ」
FSCとしての貴女が、この企画を通したの?!
「では、決まり次第またご一報お願い申し上げます『分かった。父の了承も得ている。利益が十五分に見込めると。
ゼロアリーナの改築なんて話題は、な。
零雲』
「はい」
そう返事するのは執事服の青年。やだこの子、かなり顔が私好み!ただし、ずっと笑顔でいなければ、ね。人形めいた綺麗さ、苦手なのよ。自由になれない子を、これ以上見るのは。
『少し席を外せ。姉鷺さん、私はこの件で今日の業務は終了でな。この後どうでしょう、女同士でお話でも。』
私を女扱いするなんて、隅に置けないわね、仕事上のこの子も。そして、それだけじゃないんでしょ?
「ぜひ。私の部屋へいらしてください。ついつい買い込んだシークワーサーのジュースがありますの。もちろん、衛生状態は万全です」
『では、お邪魔を』
「それで、どうしたのAちゃん。まさか、うちの楽になにかされた?!詳しく話して」
聞いて、ため息が出た。酸味を和らげるためのお砂糖を思わず多めに入れてしまう。
好きかどうかが分からないって・・!
言いたいことはたくさんあるけど、あえて一つだけ聞くことにする。
「Aちゃん、お兄さんいたわね。
お兄さんへの思いと楽への想いが同じかどうか、よく考えなさい。私の言葉で貴女を縛るわけにはいかないから。これしか言わないわ」
飲んだジュースは甘酸っぱかった。
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作者名:アスト | 作者ホームページ:http://id11.fm-p.jp/545/05251357/
作成日時:2016年9月27日 18時