病弱少女は八乙女楽の想い人で、逢坂壮五の妹です！！２ (ページ1)

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笑顔と、それぞれの気持ちページ1

一織side
『美味しい・・！！』「本当にね。和泉一織、お代わりくれない？」「天、晩飯の分の腹はあけとけ」
「今日、店が休みだから良かったですけど、次からこういう有名人を呼ぶ時はご一報ください、Aさん」
見たときはしばらく口がふさがらなかったですから。その後は別の意味で。八乙女さんのキザ度がすごいです。
「九条さん。このお二人は「付き合ってないよ。あのキザ男の一方通行。気づかれてないけど。あぁ、誰かに「言いませんよ！」なら良かった。あいつも少しは控えたらいいのに」
お皿を渡しながらコソコソと話す。相手は今をときめくtriggerのセンター。私は駆け出しのアイドルグループーまぁ、すぐに追いつけますけどーのメンバー。七瀬さんに写真を持って行ったら、気が晴れるでしょうか。兄さんは八乙女さんのファンです。あとでメッセージ付きのサインを頼んでみましょう、なんて思っていたら
「ほら、A。クリームついてる」
八乙女さんが、Aさんのほおを指で拭った。この人、羞恥心をどこかに忘れてきたんですかね！？
ほら、Aさんも驚いてますよ・・・。
けれどその後、ほわりと、照れたように、でも嬉しげに笑う彼女。初めて見る表情に、九条さんと二人で顔を見合わせた。
「まぁ、あの子が楽しげならいいかな」
そんなことを言う彼に少し驚く。七瀬さんから話を聞くと冷酷な気がしたが、そうでも無いようだ。笑い返して答えておく。
「そうですね」
Aさん。あなたが笑うことで、幸せになる人が少なくとも二人はここにいます。だから、笑っていてください。たとえそれが、私のおかげでなくても、いいですから。
「ほら、Aさん。八乙女さんも。ビターチョコケーキです。味が濃いので、ゆっくりお楽しみください」
そう言って、ワンホールケーキを二人の間におく。上手く、私は笑えていますよね？

天side
和泉一織。ちゃんと周りが見れてる、サポート向きの人材かな。自分の感情が隠せてる気でいるんだろうけど、隠せてないよ。まぁ、昨日取り乱した僕が言えたことじゃないけど。
あの子を、陸を任せてもいいかもしれない。実際、嵐のライブでも支えてくれてたし。
「似た者同士かな」
思わず呟く。彼も、自分より他人の幸せを優先してしまいがちだろうから。
『てーにぃ、来ないの？』
「それ、苦いやつだから楽に手伝ってもらって」
そう言ったら、恋人のようにくっついて、ケーキを分け合う二人。

ほら、僕はあの二人に割り込めない。