ヘルプ 4 ページ20
何度も押すインターフォン。段々と人差し指が疲れてきた
『今出ますよー』
私とは反対の呑気な声に腹が立ち、少しドアが開いた瞬間に思いっきり開けてやる
『ヅラ! 助けて!』
『どうしたんだ、A』
入れ、と私を中へ入れてくれる。お婆は敬老会の集まりに出かけているらしい。貰った麦茶を一気に飲み干し、話を切り出した
『高杉と色々あった……』
ヅラとは二番目に付き合いが長い。それに銀時は高杉とよく喧嘩するから、これを相談するのはヅラが適切だと判断したのだ
『だろうな』
『分かるの!?』
「当たり前だ」と私のからのコップに麦茶を注いでくれる
『で、何があった。昨日のネズミーランドで』
『……キス、された』
そこまでバレているとは思わなかった。しかしこんな事言ったら、ハレンチと言われるかと思うがヅラはただ、「そうか」と呟く
『高杉、何考えてるのか分かんない』
『俺も分からん。でも、Aのことはちゃんと考えてると思うぞ』
「昔からそうじゃないか」
ヅラがそう言った後少しの間沈黙になり、二人して麦茶を飲んだ
『一つ聞いてもいいか?』
『いいよ』
『……沖田のこと、まだ好きなのか?』
またもや静寂に変わる。コップを手に取っても、喉を通らない
『分かんないよ。あの時は、自分をひたすら納得させたから』
もう好きでいちゃダメ、諦めなきゃと
『何処かで意識しちゃう私が居るんだけどね』
たまに思い出すように、どうして別れたのかを考えさせられる。その度に彼に酷いことをした私と、三人と一緒に居たい私で揺れていた
『ふと思い出すんだ。Aと沖田が付き合っていた時期の事を』
『どんなこと?』
『三人だと、物足りなくてな、銀時は強がっていたがAが居ないのに、名前を呼んだ事が何度もあるんだぞ』
『へー……』
バカだねって笑うが、心の隅で綻ぶ私もいる。
『恥ずかしいが、俺達にはAが必要なんだ
……だから、高杉もその気持ちが先走ってしまったんだろう』
ありがとう、とヅラの家を出た。エレベーターに乗ろうとすれば、スーパーの袋を引っさげている銀時が先に乗っている
『Aだ。ヅラのとこ行ってたのか?』
『そうだよ』
『そーいや、お前今日様子可笑しかったな』
「便秘か?」
バカなことを言う彼に「違う」と笑顔で対応すれば気味悪そうに見た。しかし今日は許す。だって知っているのだ、銀時は私がいないと寂しいって
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ハル(プロフ) - 夏目さん» そうですね、私が非表示にして気にしないことが一番だと思いました。ですが彼女が本当に私の作品を読んでくださった読者かどうかは測りかねます。アドバイスのコメント、どうもありがとうございました。 (2017年8月12日 11時) (レス) id: 30ed3dcdf9 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - なな天パさん» まず、素敵な作品と言っていただき、本当にありがとうございます。私が単に嫌になってキツイコメントを送ってしまったので、なな天パさんは気にしなくて大丈夫ですよ。閲覧してくださったみたいでとても嬉しいです。ありがとうございます。 (2017年8月12日 11時) (レス) id: 30ed3dcdf9 (このIDを非表示/違反報告)
光(プロフ) - 返信ありがとうございます!別のバージョンも楽しみにしているので、頑張ってください!応援してます。 (2017年8月11日 10時) (レス) id: fd0dc99ac9 (このIDを非表示/違反報告)
夏目 - どうしてもしつこいようでしたら非表示にしてみてはどうでしょうか?折角の読者にそういう対処を施すのは少々心が痛むこととは思いますが…。 (2017年8月11日 2時) (レス) id: 9cb724659b (このIDを非表示/違反報告)
なな天パ(プロフ) - ミリアさん» ハルさん、すみません。嫌だったんです。貴方の素敵な作品でこんなコメをみるのが。ミリアさん、部外者の私が言うのはなんですが、あなたのコメをみると本当に不快になります。あなた、他の作者さんにも同様のコメしてますよね?そのコメ、本当にやめて下さい。 (2017年8月10日 20時) (レス) id: 63c427bf32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年2月17日 17時