眼帯 ページ2
『どうしたんだよ、お前!』
プププと笑う銀時の鳩尾に、思いっきり拳を入れる。そうして悶えるコイツを放っておき、席についた
『A……お前……』
やはりお前は同士だったか、と高杉は握手をしてくる。それを振り払って、違うと彼らに一喝した。
『アンタと一緒にしないで!
分かるでしょ!? ものもらい!!』
そう叫び、目につけている眼帯を指さす。
昨日目に違和感があったために病院へ行ったところ、ものもらいと診断され、こんな大層な眼帯までさせられた。
『なるほどね』
『大丈夫か?』
『心配してくれるのはヅラだけだよ』
彼のいつものツッコミは無視し、カバンを机の横にかける。視界が半分なのはやり辛く、何度もそこへ掛け直した。
ようやく席に着いたところで、ホッと一安心できる。
『こうして見ると、高杉と双子みたいだぞ』
ヅラが私と高杉を交互に見て、顎に手を持っていく。頷きながらそう言われても、私にとってはムカつくことこの上ない。
しかし彼は馬鹿で阿呆であるため、そんかこと気付かないのである。
『やだよ、こんな弟』
『俺が兄に決まってんだろ』
気にするのはそこか、と思うも、「低杉のクセに」とバカにすれば、彼の額に青筋が浮き出て見えた。
それにくくくと笑いがこみ上げ、更に高杉を怒らせる。
『お前も低いけどな』
『私は平均身長なの。銀時とヅラがデカイだけでしょ』
低杉より、と付け足すと高杉は舌打ちをしてそっぽを向いた。
『でも、理想の恋人の身長差は15センチらしいぞ』
お前達、丁度そのくらいじゃないか、と再び私と高杉を交互に見るヅラ。頭の中で計算すれば、確かに高杉とは15センチくらいの差だった。
『ヤダ。もっと大きい人がいい』
『俺だって、てめーより小せェ女がいい』
そう啀み合う私たちの頭上に、いきなり拳骨が落ちてくる。痛むそこをさすりながらゆっくりと顔を上げると、その人物の笑顔が黒く見えた
『もうSHRが始まるので、静かにしてください』
『はい……』
二人揃った返事に、松陽先生は微笑む。
なんやかんやと、いつも通りの日常が私の前に過ぎて行った。
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ハル(プロフ) - 夏目さん» そうですね、私が非表示にして気にしないことが一番だと思いました。ですが彼女が本当に私の作品を読んでくださった読者かどうかは測りかねます。アドバイスのコメント、どうもありがとうございました。 (2017年8月12日 11時) (レス) id: 30ed3dcdf9 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - なな天パさん» まず、素敵な作品と言っていただき、本当にありがとうございます。私が単に嫌になってキツイコメントを送ってしまったので、なな天パさんは気にしなくて大丈夫ですよ。閲覧してくださったみたいでとても嬉しいです。ありがとうございます。 (2017年8月12日 11時) (レス) id: 30ed3dcdf9 (このIDを非表示/違反報告)
光(プロフ) - 返信ありがとうございます!別のバージョンも楽しみにしているので、頑張ってください!応援してます。 (2017年8月11日 10時) (レス) id: fd0dc99ac9 (このIDを非表示/違反報告)
夏目 - どうしてもしつこいようでしたら非表示にしてみてはどうでしょうか?折角の読者にそういう対処を施すのは少々心が痛むこととは思いますが…。 (2017年8月11日 2時) (レス) id: 9cb724659b (このIDを非表示/違反報告)
なな天パ(プロフ) - ミリアさん» ハルさん、すみません。嫌だったんです。貴方の素敵な作品でこんなコメをみるのが。ミリアさん、部外者の私が言うのはなんですが、あなたのコメをみると本当に不快になります。あなた、他の作者さんにも同様のコメしてますよね?そのコメ、本当にやめて下さい。 (2017年8月10日 20時) (レス) id: 63c427bf32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年2月17日 17時