three/重なりあう秒針 ページ7
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針がチクタクと動いている。
まだ新品の懐中時計。
錆びもないし瑕もない。
ピンクゴールドのそれを丁寧に磨いて、そこに自分の目を映してみたりして。
カチッ、カチッて何度も明けては閉じて。
五分ごとにその時計で時間を確認したりして。
カシャリとどこかでシャッター音が鳴って。
時計の針はそのまま動かなくなった。
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なぜあの針が動いて見えたのだろう。
俺どうかしてる...引っ越しで疲れたのかな....。
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「マサキくん...?」
考え込んでいた俺の視界に、俺より少し背の低い彼のくりくりした瞳がカットインしてくる。
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「わっ....!」
「あっ...ごめん、驚かせるつもりじゃっ....」
声を上げた俺に驚いたのか、慌てて一歩下がる彼。
そんな彼からキャラメルの甘い香りがしたのは気のせいか。
「ははっ、ごめん、俺こそぼーっとしてた!ショウちゃん、キャラメルラテ出来たよ!」
湯気が立っている赤いマグカップを彼に渡す。
「ありがと」
渡す瞬間触れた指先がちょっぴり冷たくて、暖房をつけていなかったことを思い出した。
「部屋...汚くてごめんね、そこ座って..?」
机と椅子だけ急いで設置して彼を座らせる。
それからヒーターをガラガラ引っ張ってきた。
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「マサキくんはカメラが好きなんだね」
そそくさとヒーターを弄っていた俺の背中からそう言われて彼の視線を辿ると開けかけの段ボールから覗いている大量のカメラとレンズ。
「うん、俺フリーカメラマンやってるから」
カチッとヒーターのスイッチを押してショウちゃんの向かいに腰を下ろしながらそう答えた。
「へぇ..じゃあ今度証明写真撮るときは彼に頼もうかな...」
聞こえるか聞こえないかぐらいの小さな声で届いた彼の言葉。
ザワザワ心がざわついて、その言葉を聞かなかったことにするのが精いっぱいだった。
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恋文(プロフ) - こんにちはー。一言言ってよー笑 お姉さん寂しいから 笑 続きがとっても楽しみです！更新、頑張ってください！ (2014年1月29日 10時) (
レス) id: 1e4c88a64e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夕霞樹雨×朝霞時雨 | 作成日時：2014年1月28日 16時
