《読み切り/AS》シャッター迷えど刻めよ時間 (ページ20)

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six/覚悟はキャラメルラテと共にページ20

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弾かれたように返事をした俺に彼は少し驚いたように目を丸くして、すぐにスッと細めて嬉しそうに笑った。

そんな彼を部屋に招き入れる。

久しぶりのキャラメルラテにワクワクしながらマグカップを受けとった。

助かった...というかここまで悩んでいた自分が少し馬鹿馬鹿しくなった。

こんなに自然に彼は接してくれる。

あれだけ悩んだ１週間だったのに、今ならすっと言える気がした。

優しい彼にずっと甘えるわけにもいかないしね。

俺の普段通りの様子に安心したらしい彼は、これ手土産、と『Sweet Sugar』の袋をくれた。

中から出てきた箱を開ければ新作のキャラメルが6粒、仲良く並んでいた。

「できたよー」

ニコニコしながら俺がキャラメルラテを作る過程を見ていた彼は、渡されたキャラメルラテを見てさらにキラキラした笑顔を見せる。

「マサキくんありがとう！」

そう、これこれ。俺が見たかったのはこの笑顔。

見てるだけでこっちまで笑顔になる。

「マサキくんのキャラメルラテが今まで飲んだどんなキャラメルラテよりも一番おいしいんだよね。だから我慢できなくなっちゃった」

マサキくんのキャラメルラテがないと仕事に身が入らないんだよねー、なんて。

子供みたいに無邪気に笑う。

ほんとは俺のことを気遣ってくれてたんだろうに。

どこまでも気遣わせてるな、俺。

「いっぱい作ったから好きなだけ飲んでいってよ」

気を遣わせているのは分かっているけど、今はその優しさに甘えている俺がいた。

やったー! なんて、喜んでくれた彼を見ながら、いまだ後ろ向きな自分に心の中でため息をついた。

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