捨てきれぬ思い この地でも

6話 ページ6

よくよく近づいてみると建物……らしきものまで。

なるほど。ある程度の生活様式が取れてるってことね。

あ、先客いるじゃん
うわぁめっちゃ入るの拒否られてるし、髪の毛奇抜だし何あの人怖


あんまり耳がいいわけじゃないから聞き取れないけど。
ある程度の動きからなかなか入るのが難しい事だけは分かった。


まぁ時期を見て取り敢えず仲間内に入れてもらわないと…ちょっち厳しいかもね〜……？


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『やっと着いた……遠いよほんと。でも、同じ人間が生きてたんだな…』

夜だよ。ほんとに。
暗いねやっぱ夜は

ドゴッドガｯ

…ん？誰かを殴る音。傷つく音が聞こえる

よく見れば半々頭の男の人がガタイのいい男にボコられてね……？

あーあー痛そうに、こりゃ行かんわ

1発だけ、許して。

静かに弓を引き、ガタイのいい男の服の裾に向かって


放った。



ひとしきり終わったあとの現場に近づいてみるとぼこぼこにされた少年が

『あーあー、ボッコボコじゃん大丈夫〜？？よく見たら君、あさぎりゲンだっけ。大変だね君も〜』

よく見たらめっちゃやばい怪我じゃない。

『とりあえず応急処置だけでもしてあげないとね。こんな事しかしてあげられなくて申し訳ないけど、、許してくださいね』

最低限の私ができる限りの応急処置を施していく
それにしても酷い有様だ、人間の情が無いの？

後ろから走る音が聞こえてくる。
きっと仲間…それかそれに似た類かな

「おい、大丈夫かよゲン」
「ダメだ、どう見ても即死だ」
「大変なんだよ〜」

『待って！まだこの人死んでないです！忍び袋のガードが守ってますから。』
とりあえず現状だけでも伝えるべきだ。誰かとか関係ない。まずは助けなくちゃ。

けが人を小屋へ運び処置を施してく。
私も着いてくるよう言われたからついて言ってみる

「しかし、ガードしてたとはいえ傷は深いぞ」

確かにゲンは全身傷だらけだ
よく耐えたよこれで

突然スイカのような被り物をした女の子が走り出す
「スイカが探してくるんだよ〜！！」

あの子勇気凄…飛び出してっちゃった。

そこから薬を塗っては変え、塗っては変えを繰り返す。

「ところで、お主は誰なんだ？」
「的確な応急処置…普通な者とは思えないな」

『あぁ〜、私Aって言います。たまたま通り掛かった時に怪我してる人を見つけたからどうしても我慢できなくってね』

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