80. 過去 ページ34
「…ねぇ、君…どうして泣いてるの？」
『っ、ひ、ぁ、ごめんなさ、』
「えっ…！？謝らないで！？大丈夫だからね…！」
声のした方を見れば、其処には僕と違い美しい金色の髪を持ち…それでいて、僕と同じような赤い瞳を持つ少年が居て。
その少年は、僕が泣いていることを確認するなり、隣にしゃがみ込みながら声を掛けてくる。
「ねぇ、どうして泣いてるの？ずっと泣いてると、おめめが溶けちゃうんだよ？」
『…溶けちゃえば良い、こんな目…こんな、気味の悪い目っ…』
「ええ…君の目が気味悪いなら、きっと僕の目も気味悪いんだけど…」
困ったように頬を掻くその少年は、僕の頭を撫でてくる。
…その手の温もりは、感じたことのないもので。
「ほら、僕とお揃いだよ！やったね！」
『…良くない』
「うーん、僕はこの目好きだけどなぁ…お父さんに似てるんだって！」
『…僕は似てない、お父様は橙色だし、お母様は緑色だったって』
「そうなの？だとしても僕は好きだよ！…何だか、宝石みたいだと思わない？」
にこ、と…向けられたことのない「笑顔」を向けられ、口を閉ざす。
…宝石みたいだなんて。
そんなこと考えたこともなかった。
『…でも、それなら緑とかの方が…』
「僕は好きだよ！僕の瞳も、君の瞳も！溶けたらもったいないなって思っちゃうくらい！」
『でも、』
「君は、凄く綺麗な瞳をしている」
…綺麗だなんて。
そんなこと言われたこともないんだよ。
いつもいつも、気味が悪いって、出来損ないって、言われて来たんだよ。
『…っ…う…〜〜〜』
「わあ！？何で泣くの！？ごめんね！？えっとえっと…」
はっと気付いたような顔をしたその少年は、僕の前に手を出す。
何かと思いその手を見ていると、ふわっと言う風が出たあと、綺麗な花が両手いっぱいに咲く。
「これあげる！」
『…いい、の？』
「うん！」
花を手にして思わず微笑む。
すると少年も、とても嬉しそうに笑ってくれて。
「笑ってた方が良いよ！凄く可愛い！」
『え、可愛くなんて、』
「可愛いよ！ねぇねぇ、君ってなんて名前？教えて！」
…にこにこと笑う彼を見ていると、何だか心が休まって。
『…A…』
「そっか！Aか！」
これが…
ルイス「僕はルイスって言うんだ！よろしくね、A！」
僕とルイスの、出会いだった。
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雪見大福 - 最近見始めましたー！おもしろいですねー！そこで、少し質問？があるのですが、５６話あたりの治療法？って、塔の上のラプンツェルの治療法ですよね？？間違っていたらすみません (2020年7月20日 2時) (
レス) id: 00f6e3e8da (このIDを非表示/違反報告)
痲酔 - この場面で思ったこと……アズールツンデレ乙!!ww まだまだがんばってくださいね!!あなたの作品好きです!!キャーーと本当にさけんでいましたw (2020年7月6日 20時) (レス) id: 7c4adda471 (このIDを非表示/違反報告)
海遊(プロフ) - 続編おめでとうございます！2作目も大変心が潤いました！！次もこのまま拝読致します！これからも応援してます！ (2020年7月5日 19時) (レス) id: ae74ce0628 (このIDを非表示/違反報告)
雲雨(プロフ) - 空さん» ありがとうございます〜！！作品だけじゃなく作者まで好きと言って頂けるとは思ってもいなかったので凄く嬉しいです！完結までまだかかりそうですが、頑張って書いていくのでよろしくお願いします！応援ありがとうございます、更新頑張ります！！ (2020年7月2日 16時) (レス) id: d8253c3587 (このIDを非表示/違反報告)
空 - 続編おめでとうございます、好きです！！本当にこの作品も作者さんも大好きで、完結するまで絶対見ます！これからも頑張ってくださいね。応援しています…！ (2020年7月2日 15時) (レス) id: 9af7c9ab91 (このIDを非表示/違反報告)
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