好きになった日. ページ1
『…撮れた』
ナイトレイブンカレッジに入学して暫く経ったある日のこと…寒い冬の日だった。
僕はいつも通り一人でしゃがみ込みながら風景などを撮っていた。
友達なんて居ないし、幼馴染のイデア先輩やオルトくんが居るからそれで良くて。
女だけど、男として通っていても特に問題はなかったし、学園長は僕の事情を諸々知った上でこの学園に通わせてくれている…心配事なんてあるはずなかった。
『…でも、ちょっと寂しいな』
心配事も辛い事もないはずなのに、少し寂しく感じるのは何でだろう。
そう思いながら、その感情を閉じ込めつつ写真を撮り続けた。
…そんな時だった。
「…こんな所で、何をしているんですか？」
『っ…ひ、ぇ、』
彼が声を掛けてきたのは。
学年では既にかなり有名であった双子の片割れ、ジェイド・リーチ。
何故そんな有名人が僕に声をかけてきたのか、訳も分からず混乱してしまう。
『ぇ、と、写真、を』
ジェイド「写真を？…見せて頂いてもよろしいですか？」
隣にしゃがみ込みながらそう言われ、断りたくても断れない。
元々人からの頼みなどを断るのが苦手な僕は、その言葉に首を振ることなど出来ず。
『…どう、ぞ』
ジェイド「ありがとうございます」
ああきっと、この人も馬鹿にするのだろう。
風景ばかり撮っていて、いつもカメラを見ているばかり…そんなものを見て、馬鹿にする人以外居なかった。
イデアくんとオルトくんだけが、僕を認めてくれる…
ジェイド「…随分と…」
『っ、』
ジェイド「写真を撮るのが、お上手なんですね」
『…ぇ、』
ジェイド「こんなにお上手なんですから、人も撮れば良いのに」
…そう言って僕を見つめて優しく笑った彼。
そんな彼を見て、胸が大きく高鳴ったんだ。
「何処に居るんですか、…ジェイド」
ジェイド「アズール、今行きます。…ありがとうございました、また見せてくださいね」
そう言って歩いて行く後ろ姿を見つめながら熱くなった顔を両手で覆う。
…ああダメだこれ…好きに、なってしまったのか。
.
それからずっと、彼が好きで彼だけを見ていた。
想いが届いて欲しいとか実って欲しいとか、そう言う高望みはせず…好きで居られればそれで良い、って。
…それなのに、何で…
『…待ってなになにどう言うこと』
彼の片割れに、求愛行動されてるんだ。
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雪見大福 - 最近見始めましたー！おもしろいですねー！そこで、少し質問？があるのですが、５６話あたりの治療法？って、塔の上のラプンツェルの治療法ですよね？？間違っていたらすみません (2020年7月20日 2時) (
レス) id: 00f6e3e8da (このIDを非表示/違反報告)
痲酔 - この場面で思ったこと……アズールツンデレ乙!!ww まだまだがんばってくださいね!!あなたの作品好きです!!キャーーと本当にさけんでいましたw (2020年7月6日 20時) (レス) id: 7c4adda471 (このIDを非表示/違反報告)
海遊(プロフ) - 続編おめでとうございます！2作目も大変心が潤いました！！次もこのまま拝読致します！これからも応援してます！ (2020年7月5日 19時) (レス) id: ae74ce0628 (このIDを非表示/違反報告)
雲雨(プロフ) - 空さん» ありがとうございます〜！！作品だけじゃなく作者まで好きと言って頂けるとは思ってもいなかったので凄く嬉しいです！完結までまだかかりそうですが、頑張って書いていくのでよろしくお願いします！応援ありがとうございます、更新頑張ります！！ (2020年7月2日 16時) (レス) id: d8253c3587 (このIDを非表示/違反報告)
空 - 続編おめでとうございます、好きです！！本当にこの作品も作者さんも大好きで、完結するまで絶対見ます！これからも頑張ってくださいね。応援しています…！ (2020年7月2日 15時) (レス) id: 9af7c9ab91 (このIDを非表示/違反報告)
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