五十話 ページ35
たまに梯子が揺れたりしていて凄く危なっかしい。今にも梯子が倒れて落ちてしまいそうだ。
ゾムも同じのようで梯子が少し揺れる度におどおどしてる。やっぱり危ない。
そんな感じでチーノが弓を取って降りようとした時チーノがバランスを崩したみたいで梯子が倒れた。
チーノが落ちるより俺の手元に弓が渡るのが早くて無自覚に近くにまとめて箱に入っていた矢を取ってチーノに向かって撃ってしまった。
はっとした時には弦を引いて離した後だった。
チーノに当たると思ったらチーノの服の腕の部分の布を撃ち抜いて壁に刺さった。
ci「いっだ!!??あぶねｯｯ!!??」
そう叫んだ後矢を抜いて矢がまとめて置いてある場所に返してこっちにとぼとぼ歩いてきた。
ci「撃ったのはわざとや無いもんな。狐は動転しやすい種族だって聞いた事あるし…あ、はい弓」
zm「チーノ大丈夫かぁ？」
渡された弓を見て弦を軽く引いてみたりしてみる。いい感じだ。
ci「尻が痛いわぁw」
zm「wwどんまい！動けるんなら大丈夫や！！」
ci「脳筋やめろやw」
そんな会話を横目に弓に決めて日程を聞かないといけないかな？と思ってグルッペンのところに行こうと部屋を出る。
2人はまだ話してるし良いかな。
それでもグルッペンのいる場所が分からないや。そう思って運良くすれ違った人に聞いてみる。
『ねぇ、あの…グルッペンって何処にいるか分かる？』
そう話しかけるとその人は青ざめて「え、あの…えっと」とか言って吃ってる。
どうしたんだろう…
「あ、お前！ちょ、こいつが総統様の場所聞きたいらしいんだけどどこか分かる？」
「え？あー、え？お前さっき総統様に呼び出されてたj」
「黙れって、教えたれよ俺もう行くからさ」
何か言おうとした獣人の口を抑えてそう言ったあとそそくさと歩いていってしまった。
俺と話したくないの？なんか悲しい。
「総統様はね、多分総統室か外交官様のお部屋にいると思うよ。場所はそこ真っ直ぐ行って右の部屋とこっから突き当たりにある階段を登ったすぐの部屋だよ。」
『ありがとう』
そう言って別れたあと教えて貰った通りに部屋へ行く。
総統室。なんか他の部屋よりちょっと質素な気がする。ほんとにここが総統室？ってなるくらい。
一応扉を叩いて開けてみる。
でも部屋の中には誰もいなくて机の上にある紙の束だけだった。気になって見てみる。
ﾋﾟｰｯﾋﾟｰｯ
また鳴った…
どういう時に鳴るのかまるで分からないなぁ…
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