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あれから医務室には行かず図書室に行った。
相変わらず紙の匂いがする。
ちゃんと本の種類毎に分けられていて目的の本を見つけやすいというメリットはあるものの上の方の本を取るには梯子とか、足場を作らないといけないから面倒だ。
まぁその時はエミさんに取らせるが。
そんなことを思いながらここに居るはずのエミさんを探す。
エミさんの音はかすかに聞こえもののどこにいるのか分からない。
すると本が荒く落ちたように積まれた山を通り過ぎたあと後ろからエミさんの声が聞こえた。
em「た、助けてぇ…う"う"ん…」
死にかけやん。そう思いながら後ろを振り向くとさっきの本の山から 手だけが出たエミさんがいた。その手を引っ張って助けだしてやる。
途中痛いとか
本から脱出するとエミさんは服を少しはたいて整えたあと
感謝の言葉を述べて何故ここに来たのかと質問してきた。
『獣人の能力についての本とかないかなって…』
em「身体動力の本なら確か…」
そう言って周りの本棚を見回したあと上の本棚を見るため梯子を上って色々見ていたが目的のものを見つけたのかあっという顔をして緑の表紙の本を手に取った。
そして「これやこれ！」と言って見せてきた表紙には色んな動物のレントゲン図が貼ってあった。
そしてエミさんのあっ、という声がした瞬間に
本の角が俺の頭に落ちてきた。
『いっづ！！？？おいエーミールこの野郎！！』
em「ご、ごめん！手が滑って…」
そう言いながら降りてくるエミさんを痛む脳天を抑えながら見る。
おいエーミールてめぇの本全部破り捨てて髪に火付けてやろうか
その心情が表情に出ていたのかエーミールがだらだら汗をかいている
em「と、とにかくそれに多分書いてあるから読んでみればええやん？紅茶でも入れたるわ。アールグレイ…きれとるわジャスミンで」
『拒否権ないやつやん。ありがと』
奥の個室へ入っていくエミさんを横目に本を開く。
文字が多くて本は好きではないが興味に勝るものはない。
ぺらぺらとページをめくっていくと獣人毎の身体能力や
容姿の特徴などがまとめられたページを見つけた。
狐に狼に猫に犬に
勿論うさぎもあったが希少種の魚とか虫はあまり載っていなかった。
em「あー、そのページめっちゃ詳しい研究資料載っとるよな。でもそれ著者が分からんから大学の教授が考察しとるで」
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